大島崚・鵜飼主水・船岡咲が感じた世界観は? 舞台『「蒼海のティーダ~Truth~」~The Five God Chronicle・琉球編~』が描いた平和

2017年8月9日(水)東京・CBGKシブゲキ!!にて、ASSH 十五周年記念興行・第二弾『「蒼海のティーダ~Truth~」~The Five God Chronicle・琉球編~』ゲネプロ公演が開催された。本公演は、3年前に上演された『蒼海のティーダ』の再演作で、オッドエンタテインメントの手によって装いも新たに生まれ変わった。出演キャストは、大島崚、鵜飼主水、栗生みな、船岡咲など、総勢29名(アンサンブル含む)が物語を彩る。3年の時を経て生まれ変わった本作が、どのような舞台として観客の元へ届けられるのか。大島崚、鵜飼主水、船岡咲のコメントと併せてゲネプロの模様をお届けしたい。

決して交わってはいけない人魚と人間の出会い

深海と地上の垣根を超えた繋がり

ASSH 十五周年記念興行の第二弾として、オッドエンタテインメントの手によって再演が決定した『蒼海のティーダ』。人魚の”ザン”とリューサー王国の王子・”ティーダ”が出会い、互いに恋に落ちるところから全ては始まる。まずは、ザン役の栗生みなとティーダ役の大島崚に注目してほしい。人間から忌み嫌われる人魚のザンを人間と変わらないと信じ切るティーダ。お互いに引かれ合う気持ちを、情感あふれる表情で観客へ届けてくれる演技は圧巻だ。

舞台の演出をフル活用して、蒼い海を最大限に表現

リアルを追求した場面転換に驚嘆

本作は、観客が世界観を実感できるために構成された演出も見どころの1つ。深海の人魚たちの場景、海面上で航海する人間たちの様子など、目の前で繰り広げる場面の数々に違和感を覚えない。舞台での細部にまでこだわった演出には、キャストだけでなく制作メンバーの意気込みも感じることができる。舞台を陰ながら支えるスタッフたちとキャストたちが見せる合わせ技を目の当たりにできる瞬間だ。

実戦さながらのアクションシーンで観客たちを圧倒

殺伐とした戦闘シーンでのアクションは、オッドエンタテインメントの舞台ならではの醍醐味。キャストの気概が舞台から肌にヒシヒシと伝わってくる。剣さばきだけでなく、実際にぶつかり合うお互いの武器の衝撃。住む世界や立場が違う人間同士が戦い、人間の欲望や守るべき目的など、争いのなかにもそれぞれの意味が見て取れる。対立することは時として避けられないことかもしれないが、血を流すことに何の意味があるのか、考えてみると深い内容に結び付くかもしれない。

大島崚、鵜飼主水、船岡咲に聞く『蒼海のティーダ』の観劇ポイント

鵜飼主水、大島崚

――大島さんと鵜飼さんのなかで、殺陣のポイントなどがあったら教えてください。

大島崚(以下、大島):個人的には……段階ですね! 終盤になるにつれて、前半の殺陣とは違う要素が盛り込まれるんですけれど、ストーリーに沿った段階も見てほしいです。まだまだ勉強をしている最中ですが、素晴らしい殺陣を指導していただきました。

鵜飼主水(以下、鵜飼):今回は派手さだけでなく、キャラクターの心情も含めてカッコ良さを追求してみました。それぞれのキャラクターが生きる上で必要な要素を殺陣に盛り込んだので、全キャラクターのアクションを楽しんでいただけると嬉しいです。

――鵜飼さんは殺陣付けも行われているとお聞きしましたが、そのなかでも注目してほしい部分などありますか?

鵜飼:「アクション以外でも楽しいところがある!」とだけお伝えしておきます(笑)。個人的にはとある海賊たちがやり取りをする場面があるんですが、まったく戦わない子がいるんです! その子のやり取りは楽しいかなと思います。

船岡咲

――船岡さんは物語のなかで”生”について語る重要なキャラクターでしたね。役を演じるときはどのようなことを意識されましたか?

船岡咲(以下、船岡):私の役は人間でもなければ、人魚でもない、未知の存在なんです。なので、他の役とは一風変わった雰囲気をまとうことを意識していました。不老不死を経験することは不可能なので(笑)。

鵜飼:出来たらスゴいよ(笑)。

船岡:でも不老不死になったら、自分の好きな人が先に天国に旅立ったり、悲しいことも経験したりするんだろうなって想像しながら演じていました。

――その結果、見事に役柄として演じることができたと!

船岡:……観劇してくれた人たちが思ってくれたら嬉しいです(笑)。

――それでは、これから舞台を観劇するファンの方へメッセージをお願いします。

大島:演出家の松多壱岱さんが言っていたんですけれど、作品のメッセージでもある”平和”を感じてほしいと思います。平和であることがどれだけいいことかを伝えられるように、僕たちも一日一日熱量を上げて舞台に臨みます!

鵜飼:劇場がもともと映画館ということもあって、映像を通して体感することができると思うんです。諸先輩方と一緒に作り上げた『蒼海のティーダ』を身体で楽しんでくれたら嬉しいです。

船岡:舞台全体を青色にして、海を表現した作品は私の中で前代未聞でした。実際に海の中にいると思ってしまう世界観を楽しんでいただければと思っています。

《キャスト》
大島崚、鵜飼主水(ASSH)、栗生みな
小栗諒(ASSH)、山本哲平、ヒロヤ(ASSH)、長倉正明、田中宏輝
紅葉美緒、神越将、吉野哲平、水月桃子、石川美樹、
丸山雷電(ASSH)、持田千妃来、未莉、新木美優、秋吉あや
小倉江梨花(ASSH-NEXT)、花岡芽佳、(ASSH-NEXT)

船岡咲、霜月紫、山本真夢、吉田宗洋

市瀬秀和

〈アンサンブル〉
梅田祥平(ASSH-NEXT)、大田早紀(ASSH-NEXT)、成瀬隆典、此処なつ

〈スタッフ〉
脚本・演出:松多壱岱
企画・製作:オッドエンタテインメント/ASSH
プロデューサー:松多壱岱、小林諸生
エグゼクティブ・プロデューサー:佐藤圭一

【公演名】:蒼海のティーダ ~Truth~ The Five God Chronicle・琉球編
【劇場】:CBGKシブゲキ!![MAP]
【チケット】:S席:8,000円(前方列保証、メッセージカード付)/A席:6,200円/学生A席:4,500円(全席指定・税込)
【公式HP】:オッドエンタテインメント[リンク]

【公演スケジュール】
8月9日(水) 19:00開演
8月10日(木) 14:00開演 19:00開演
8月11日(金) 13:00開演 18:00開演
8月12日(土) 13:00開演 18:00開演
8月13日(日) 12:00開演 16:30開演

撮影:野島亮佑

野島 亮佑

オンラインライター/ニュース記者。ライブ・イベントレポートをはじめ、映画舞台挨拶、演劇・舞台レポート、アーティストや役者のインタビューを行っています。

Twitter: ryosuke_nojima