あの凶暴な恐竜は鈍足だった?『大迫力!恐竜・古生物大百科』

  by 西東社の中の人たち  Tags :  

我々人間が誕生する遥か昔、地球上で大繁栄した生物『恐竜』。

圧倒的な大きさを持つもの、独特な角を持つもの、鋭いトゲを身にまとい体を守るもの……。恐竜は途方もない時間をかけて、進化を重ねて地球上に生息していました。この独自の進化に加えて、謎も多いことが恐竜の魅力なのではないでしょうか。「ティラノサウルスには羽毛が生えていた」、「ステゴサウルスのかむ力は、犬よりも弱かった」など様々な説があります。最新の研究から少しずつですが、そうした謎が解明されつつあります。

今年7月に発売後、即重版が決まった『大迫力!恐竜・古生物大百科』では、迫力のあるイラストで約100種の恐竜・古生物を徹底解説しています。今回はその一部を、恐竜が支配していた『中生代』、恐竜が誕生する前の『古生代』、そして恐竜が絶滅した後の『新生代』の3つに分けて紹介させていただきます。夏休み期間の今、ぜひお子さんと一緒に、恐竜・古生物の不思議に触れてください。

中生代~ティラノサウルスのスピードは、ゾウよりも遅い?

まずは『ジュラ紀』とか『白亜紀』といった多くの人が一度は耳にしたことがある期間、中生代です。中生代は恐竜が栄えた時代です。

その時代で最も有名な恐竜の一種が、冒頭にも紹介したティラノサウルス。生息年代は6800万年前から6600万年前頃と言われています。大きさは約12メートルで大きな頭と短い腕、強力なアゴと太い歯で獲物を捕食していました。本書には肉食恐竜の歯の写真が掲載されていて、先がとがったギザギザの形をしています。ティラノサウルスも同様で、肉の奥の骨まで歯を食いこませて引きちぎっていたとか。想像するだけでも怖いですね。

でも足が遅く、実は時速30キロほどでしか走れなかったようです。これはゾウよりも遅いと言われています。

では、どうやって狩りをしていたのでしょうか。詳細は本書でチェックしてみてください。

古生代~史上最強の肉食魚、現る~

古生代は恐竜が誕生する前の時代。生物は海に生息し、次第に両生類が陸に上がってくる、そこからは虫類や単弓類などが誕生していきます。

この古生代に誕生したのが、全長約10メートル、体重3トン~4トンもあったというダンクルオステウス。先ほど紹介したティラノサウルスの大きさが約12メートルということなので、その巨大さが理解できるかと思います。頭部と胸はかたいヨロイ(板状の骨が集まってできたもの)で覆われ、鋭いキバのような骨で獲物をかみ砕いていたとか。かむ力は古生代から現代まで魚類最強なので、史上最強の肉食魚と言えますね。

本書ではそんな“最強魚”がなぜ絶滅したのかも記載していますので、一読を!

新生代~最も有名なマンモス~

新生代は恐竜が絶滅した後、ほ乳類と鳥類が反映した時代。現在に生息する生物に近い見ためを持つものが多く、人類も同時期に生きていたこともわかっています。

新生代の代表的な生物は、ケナガモンマス。私も初めて知ったのですが、マンモスにはいくつか種類がいて、その中で最も有名なマンモスがケナガマンモスです。名前のとおり、太くて長い毛で全身が覆われていて、寒い環境で生息していました。大きさは約6メートルで、約2.5メートルの大きなキバも特徴ですね。

大きなキバって獲物を襲うためにありそうですよね? でも、ケナガマンモスのキバは“あること”をするためにあったという説があるのです。キバの役割にはいくつか説があり、そちらも本書には書いてあります。ぜひ手に取って読んでください!

名前の由来~○○○ドンって?~

上記のような恐竜・古生物の説明はもちろんですが、恐竜・古生物の名前の由来を紹介するミニコラムもオススメです。

○○○サウルスとか○○○ドン、○○○ニクスって恐竜の名前によくありますよね~。これまで気にしたことはなかったのですが、この名前の由来も載っていて、おもわず「へぇ~」とつぶやいてしまいました。

最後に圧倒的なビジュアル、独自の進化の秘密だけではなくて、名前の由来にも注目して読んでみてください!

『大迫力!恐竜・古生物大百科』(西東社)
監修:福井県立恐竜博物館
定価:(本体1,300円+税)
ISBN:9784791625680

▼監修者紹介
福井県立恐竜博物館
2000年7月に開館。地質学・古生物専門の博物館。「恐竜の世界」、「地球の科学」、「生命の歴史」の3つの展示ゾーンからなり、地球の成り立ちや様々な古生物に出会える。立地する福井県勝山市には恐竜化石んの発掘現場があり、現在も発掘・研究を行っている。日本で見つかった7種類の新種恐竜のうち5種類が勝山産。

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