世界初のドリフト世界大会『FIA Intercontinental Drifting Cup』が今秋の日本開催を発表 中の人に直球を投げ込んでみた

『D1グランプリ』というドリフト競技の大会を主催するサンプロスが、世界初のドリフト世界一決定戦『FIA Intercontinental Drifting Cup(以下、IDC)』の開催を先週発表しました。開催地は東京のお台場で、日程は2017年9月30日(土)、10月1日(日)の2日間。

サンプロスは『Option(オプション)』や『ドリフト天国』といったモータスポーツ関連の出版事業を展開する三栄書房の関連会社でもあります。FIAは正式名称「Federation Internationale de l’Automobile」の略語で、日本語では「国際自動車連盟」となり、世界中で行われているF1やWRCなどの四輪モータースポーツを統轄する機関です。

World’s First FIA Intercontinental Drifting Cup announced(YouTube)
https://youtu.be/2GhYuKIbYGk

プレスリリースには「FIA Intercontinental Drifting Cupの参加ドライバー、メディア、観戦に関しての情報等は順次発表いたします」との記載がありました。しかしですね、下記のような記事を書いてますし、行列なんか並べない1000%肉食人種ですし、とにかく何事も待ってられない性分なので、ソッコーで話を聞いてみることにしました。回答してくれたのは巷間良く言われる「中の人(広報担当者)」です。

これぞ体験型日本観光の極み ドリフト目当てにエビスサーキットを訪れる外国人走り屋達に聞いてみた
http://getnews.jp/archives/1741335[リンク]

まず聞きたかったのは、IDCとフォーミュラ・ドリフト(通称:フォーミュラD)、D1グランプリ、ドリフトマッスルといった既存のドリフト競技大会との最大の違いについてです。いきなりド直球を投げてみたところ、「IDCはFIAが制定した全世界共通のルールによって行われる競技会で、世界中の各競技会参加者のトップランカーが一堂に会して行われる世界ナンバー1決定戦です」というお答え。Zeebraじゃありませんが、“東京代表トップランカー”みたいな連中がごっそりお台場に集結して、誰が世界一かをガチでバトルする大会になるようです。

また、「他の国際競技会同様、各国を代表する選手達が参加する大会なので、参加選手の自国ファンの応援が白熱する」ところがIDCの最大の魅力とも話してくれました。2日間の開催となるが、「現時点では収容設備がすべて決定はしていませんが、満員のお客様にドリフトを楽しんで頂きたいと思っています」とかなりの盛り上がりを見込んでいるようです。IDCの開催は「年1回」を予定しているとのこと。

ドリフトは日本が発祥の地となるモータースポーツ。その世界一を決める世界大会IDCが日本で開催される。そう聞いて参加したいと思った人が一番気になるのは参加資格ではないでしょうか。IDCの参加資格に関しては、「FIA競技会ですのでFIAに加盟する各国自動車連盟発行のドライバーズライセンスが必要となります。その上で、各国競技会での実績上位者が原則となります。プロ、アマは問いません」ということです。他の大会と比較すると若干ハードル高めなんですかね。

プレスリリースに「FIAはドリフトの世界統一レギュレーションを設定」とあったので、具体的な内容に関して聞いてみると「基本のコンセプトは、新たにどこの国でもドリフト競技会が開催できるようにと考えられています。第一にセーフティー面(車両などの安全装備)、そして競技方法と採点方法です。採点方法は、3大要素(スピード、ドリフト角度、ライン)を人為的または、それを補助をする機械を使用できるようになっています」という回答でした。サンプロスが主催するD1グランプリのレギュレーションとは、「基本的な要素は同じですが、全てが同じではありません」とのこと。

日本発祥のモータースポーツでもありストリートカルチャーでもあるドリフト走行。ドリフト競技では史上初となる世界一決定戦のIDCが、ドリフト発祥の地である日本で開催される。主催者としてはこの事実に対してどういう見解を持っているか聞いてみると、「この開催をきっかけにドリフト競技の世界的な社会性の向上が期待できます。より多くのファンにドリフトの魅力を伝えることができ、競技者達を取り巻く環境の向上につながると信じています。近い将来にはドリフトからあらゆるモータースポーツへ転身するドライバーも現れたり、ドリフト競技関連産業も体系化され多くの経済効果も生まれるのではないでしょうか。同時にユニークなドリフト走行シーンは、一般の人たちのモータースポーツへの関心が一層造成されることとなるのではないでしょうか」と、かなり大きな期待を持っている様子。

FIAの名を冠したIDCという世界大会が継続していくためには何が必要か問うと、「常にファンが最上流にいて、ファンの満足をあらゆるアスペクトで追求する必要があります」と、都知事ばりにファンファーストな考えがあることを明かしてくれました。

サンプロスは下記の事故が起きたD1ストリートリーガルという大会の主催者でもあります。最後に再発防止のためどういう安全対策を取る予定なのか聞いてみると、「あらゆる可能性を予見して、必要な対策を講じます」という回答でした。モータースポーツや自動車の専門誌ではなく、毎日や産経という一般の新聞が取り上げたことからもわかるように、ドリフト競技大会における安全性に対する社会的関心は高いと思うので、事故が起きないよう万全を期していただきたいものです。

モータースポーツとして発展 安全管理に課題 タイヤ直撃事故のドリフト競技
http://www.sankei.com/affairs/news/161120/afr1611200020-n1.html[リンク]

ドリフト競技事故 タイヤ直撃の重体女性が死亡 宇都宮
https://mainichi.jp/articles/20161204/k00/00e/040/119000c[リンク]

D1ストリートリーガルRd.6日光サーキットにおける事故について
http://www.d1sl.jp/03_sche/sl2016/news/n1121.html[リンク]

オリンピックに限らず、規模の大きい国際大会が開催されると海外からの来場者や注目度が一気に急上昇します。ましてIDCはFIA公認の大会なので、その注目度はかなりのものになってくるのではないでしょうか。カプチーノなどイタリア発のコーヒー文化(コンテンツ)が、スタバというフィルターを通して世界に流れ出したように、日本発のドリフトというストリート文化(コンテンツ)が、FIAというフィルターを通じて世界中に浸透していって欲しいものです。今回のIDCはその試金石となってきそうです。

※画像とソース:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000012351.html

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