あの作家が表紙の『AERA』を『三省堂書店都庁店』で見つけた

  by 太田潤史  Tags :  

東京都庁内にある『三省堂書店都庁店』には、
『職員ハンドブック2012』(東京都総務局人事部・編)のような、
他の書店ではなかなか見かけない、
むしろそこに無いと、どこで売っているのかわからない、
間違っても駅前の路上で1冊100円では売られていない専門書籍がある一方で、
駅前の路上で1冊100円で売られている一般誌の取り扱いもあり、
都職員だけでなく、入室無料の45階展望室から見える夜景目当てで来庁したカップルも
利用することができる。

『AERA』2012年5月21日号を見つけた。表紙は、作家の『田中慎弥』氏。
第146回芥川賞を『共喰い』で受賞し、その受賞者記者会見で、
この回をもって芥川賞選考委員を辞した『石原慎太郎都知事』の選考委員会前の
「バカみたいな作品ばっかりだよ」とのコメントを受けて、
「もし断ったって聞いて、気の小さい選考委員が倒れたりなんかしたら、
都政が混乱しますんで、都知事閣下と東京都民各位のためにもらっといてやる」
などと発言し、話題になった田中氏である。
田中氏の顔が、その都知事閣下のお膝下、というか、真下に並んだ。

もし私が都職員だったら、この『AERA』を手にレジへ向かうにも、
顔のニヤつきを我慢できるかどうかの自信はない。
この号の都庁店での売れ行きは、普段と比べて伸びたのだろうか、それとも減ったのだろうか。

『AERA』によれば、田中氏は初めての長編に挑戦中とのことである。
石原都知事は、芥川賞選評で「田中氏の資質は長編にまとめた方が重みがます
と思われる」(『文藝春秋』2012年三月特別号)としている。

画像:
http://www.books-sanseido.co.jp/shop/tocho.html
(『三省堂書店』HPから)

東京・浅草に『こしょうばこ』という小さな演芸小屋を開いていましたが、半年足らずで閉め、現在は『こしょうばこ』という屋号は残し、イベント企画・制作などを行なっています。

Twitter: @koshoukoshou