【実験】非オタク・リア充の友人に無音の予告編だけでアニメの内容を予想してもらった


アニメ・漫画を活用した『クールジャパン』が推進されている昨今。しかし、もちろん日本人全員がアニメ好きなわけではないし、むしろ「アニメなんて全く観ないよ」という人だって多いだろう。ということはアニメ好きにとっては定番の作品でも、普段アニメを観ない人は名前すら聞いたことがない、そんな作品だってたくさんあるわけだ。ではもし、アニメを全く観ない人が無音で有名アニメの予告編を観たら、どんなストーリーだと思うのだろうか。アニメオタク歴11年の私は今回、友人を使ってアニメ本編予想実験をすることにした。

協力してくれた友人Aくんのスペック
・広告代理店勤務
・趣味はダンス
・チャラい。俗に言うリア充感がすごい
・アニメは普段全く観ない。漫画も読まない
・本人曰く「でも『NARUTO』と『ワンピース』は読んだよ!」
・アニメを観ないと言いつつなぜか『マクロスF』だけ全話観た
・理由は「ランカちゃんがかわいかったから」

実験のルールは簡単。Aくんに無音でアニメの予告編をひたすら観てもらった後、全体のストーリーを予想してもらうのだ。実験前は「アニメってさ~だいたい平穏な日常があって~でなんかトラブルが起きて~『私達どうなっちゃうのー?!』ってなるじゃん、だいたい同じじゃん~」と暴言を吐いていたAくんだが、果たしてどんな予想を展開してくれるのだろうか。

第1問 『ラブライブ!』

正解の内容(公式サイトより)
http://www.lovelive-anime.jp/

「スクールアイドルたちがパフォーマンスを競う大会『ラブライブ!』。前回優勝者のμ’sは、3年生の卒業をもって活動をおしまいにすると決めていたが、卒業式の直後、μ’sのもとに飛び込んで来たひとつの知らせを受けて、新たなライブをすることに!見たことのない世界とふれあい、また少しずつまた成長していく9人。スクールアイドルとして、最後に何ができるのか——。限られた時間のなかで、μ’sが見つけた最高に楽しいライブとは——!?」

「ラブライブ!The School Idol Movie」劇場本予告(90秒ver.)(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=-V0m1M3on8Q

Aくんの回答
「世界が女の子だけになって、踊ることで子孫を残せるようになった。そんな状況で世界を築いていく少女達のストーリー。ってかみんなスカート短すぎる」

なぜ女子高校生たちのキラキラした青春が壮大なサバイバルストーリーになってしまったのか。第1問目からのA君の回答のぶっとび加減に筆者も思わず言葉を失ってしまった。そこで女子ばかりのアニメは難易度が高いと思い、次は少年漫画原作のアニメで出題してみた。

第2問 『僕のヒーローアカデミア』

正解の内容(公式サイトより)
http://heroaca.com/

「舞台は総人口の約8割が何らかの超上能力”個性”を持つ世界。事故や災害、そして”個性”を悪用する犯罪者・敵<ヴィラン>から人々と社会を守る職業・ヒーローになることを目指して、ヒーロー輩出の名門・雄英高校に通う少年・緑谷出久の成長、戦い、友情のストーリーが繰り広げられていく」

アニメ「僕のヒーローアカデミア」PV(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=o0L1YC9YgxM

Aくんの回答
「アメリカで起こった大恐慌が日本に遅れてやってくる前に次世代のヒーローを育てるため、アメリカで活躍していたヒーローがアカデミアを設立し、和製アメコミヒーローをつくろうとする」

主人公の師であるオールマイトを完全にアメコミヒーローと思っていたりなぜかアメリカの経済状況を配慮していたりと謎な部分はあるものの、ヒーローを育てるという大枠のストーリーには沿っているといえよう。現代寄りのアニメが続いたので、次は歴史系のアニメも出題してみた。

第3問 『マギ』

正解の内容(公式サイトより)
http://www.project-magi.com/

「突然、世界のあちらこちらに出現した古代王朝の遺跡群「迷宮(ダンジョン)」には、
「ジンの金属器」と呼ばれる不思議な力を持つ魔法アイテムや、たくさんの金銀財宝が眠っているという。砂漠の中のオアシス都市、チーシャンで働く少年・アリババも「迷宮攻略」で一攫千金を夢見る1人。ある日、不思議な力を持った少年・アラジンと出会い、一緒に難攻不落の迷宮を目指すことに。アラジンとアリババの大冒険が今、始まる。」

アニメ マギ 予告CM(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=FTG4-QshPbQ

Aくんの回答
「1000年前のヨーロッパ。都市国家の抗争に敗れた滅びた一族の末裔が復権を狙って呪いの力を使って、悪だくみする物語」

本当の舞台は中東の砂漠なのだが何を思ったのか「ヨーロッパ」と評したAくん。しかも善良そうな顔をした主人公をなぜか悪だくみする側ととらえているあたりがよくわからないが、原作通り国家をゆるがす壮大なストーリーのかけらは感じ取ってくれたようだ。この調子でさらにアニメの予告編を観せていく。

第4問 『PSYCHO-PASS サイコパス』

正解の内容(公式サイトより)
http://psycho-pass.com/

「人間の心理状態や性格的傾向を計測し、数値化できるようになった近未来。人々はこの測定値を『PSYCHO-PASS(サイコパス)』の俗称で呼び、その数値を指標として『良き人生』をおくろうと躍起になっていた。犯罪も数値によって対処される。厚生省公安局の刑事たちは、高い犯罪係数を持ち犯罪者の心理に迫る猟犬「執行官」と冷静な判断力で執行官を指揮するエリート「監視官」がチームを組み、包括的生涯福祉支援システム「シビュラシステム」によって解析された犯罪に関する数値「犯罪係数」をもとに、都市の治安を守る。彼らは数値が規定値を超えた、罪を犯す危険性のある犯罪者「潜在犯」を追い、「犯罪係数」を瞬時に測定し断罪する銃「ドミネーター」で執行するのである。」

「PSYCHO‐PASS サイコパス」第3弾PV(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=4O7jg41_JeA

Aくんの回答
「時は21XX年。コンピューターウイルスが具現化して人間に転移する時代。その現象は突然変異ではなく悪の組織“ダークマター”によるものだった。それを防ぐべくFBIが“ダークマター”を壊滅させる特別プロジェクト“サイコパス”を始動。しかしなんと黒幕はFBIの組織内にいた。日本の天才ハッカー・サイトウカズ(冒頭の黒髪の男)はこの世の悪を裁くため、自らをコンピューターウイルスに感染させて身体頭脳を強化し戦っていく。」

なぜかいきなり饒舌に設定を語り始めたAくん。先ほどまでの端的な回答との差に思わず恐怖心すら覚えたが、どうやら法学部卒らしく社会派アニメには興味があるらしい。ちなみに主人公サイトウカズの名前の由来は「響きがサイコパスに似てるから」だと言う。このあたりはやはりよくわからない。

第5問 『ローゼンメイデン』

正解の内容(公式サイトより)
http://www.tbs.co.jp/anime/rozen/

「ひきこもりの少年・桜田ジュンの元に「まきますか まきませんか」とだけ書かれたダイレクトメールが届いた。《まくこと》を選択したジュンの元へ届けられたのは第5のローゼンメイデン真紅。そしてジュンの前に次々と現われる個性豊かなドールたち。なし崩しに真紅のしもべとなったジュンは、ローゼンメイデンの命とも言える《ローザミスティカ》を奪い合うアリスゲームに巻き込まれる。」

TVアニメ「ローゼンメイデン」PV第1弾(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=EtBxEYU1GFQ

Aくんの回答
「原始の力を司る12色の色は長い間パワーバランスを保ちながら存在していた。しかしある日、赤色がその均衡を崩してしまい色同士の戦争が起こった。各色の世界に住むプリンセス達は、すべての力を司る色を自分の色に統一するため戦いに身を投じていく。」

予告に出てきていた人形は7体だったと思うのだがAくんにはあと5体見えていたのだろうか。本来のアニメは主人公の少年のもとに届いた生きた人形達が葛藤しながらも戦いにより命を奪い合う、というストーリーなのだが、強いていえばそこに“色”という要素を付け足したあたりにAくんのクリエイティビティを感じる。

第6問 『四月は君の嘘』

正解の内容(公式サイトより)
http://www.kimiuso.jp/

「母の死をきっかけにピアノが弾けなくなった元天才少年・有馬公生。モノクロームだった彼の日常は、1人のヴァイオリニストとの出逢いから色付き始める。傍若無人、喧嘩上等、でも個性あふれる演奏家・宮園かをり。少女に魅せられた公生は自分の足で14歳の今を走り始める。」

「四月は君の嘘」第3弾トレーラー(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=otVXySnd5ZA

Aくんの回答
「すげえ可愛くてヴァイオリンがうまい女の子と、地味だけどピアノのうまい男の子がいて、音楽を通して絆が深くなっていく。でも女の子は実は余命が短くて、それを知って男の子はピアノでその子を全力サポートして、死ぬ前にでっかい舞台に立って成功して、女の子の病気も治ってハッピーエンドで終わる。」

終わり方を知っている人にとっては「そうならよかった…」と言いたくなるような予想ストーリーである。結末に相違はあるものの過程は驚くほど合っているので、やはり日常系ストーリーはアニメを観ない人にも予想しやすいのだろう。というわけで次は最終問題。異世界系のアニメで難しそうだが、Aくんにはぜひじっくりと予告編を観て内容を予想してもらいたい。

第7問 『終わりのセラフ』

正解の内容(公式サイトより)
http://owarino-seraph.jp/

「ある日突然、未知のウイルスにより世界は滅びた。生き残ったのは子供だけ。そして、その子供たちは地の底より現れた、吸血鬼たちに支配された。百夜優一郎は、家族同然の絆を持つ百夜ミカエラら孤児たちと、吸血鬼に血を捧げることで生きていた。家畜同然の扱いに耐えかねた優一郎は、ミカエラや幼い孤児たちと共に、外の世界へと脱出を図るが……。
時は4年後。百夜優一郎は日本帝鬼軍の吸血鬼殲滅部隊「月鬼ノ組」に入隊。恐るべき吸血鬼たちとの戦いに、その身を投じていく…!!」

終わりのセラフPV / Seraph of the End Official Trailer(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=_63seZTwaw8

Aくんの回答
「何千年とある歴史の中、人間は負の力を生み出しながら地球の資源を貪ってきた。そのぶん負の怨念は何千年とたまっていき、ある日人間たちを許せなくなった自然が怪物と化して人間を殺し始めた。そこで立ち上がったのが主人公の黒髪の男の子。刀で怪物たちを倒しながらラスボスに立ち向かっていく。でも最後は力では勝てなくて、その男の子はラスボスに向かってこう語りだす。『人間は確かにかよわい生き物で、負の感情も生み出してしまうけど、みんなひとりひとり頑張って生きている。自然も苦しんでいるんだろうけど人間だって頑張ってるんだ!』って。そうやって、最後は説得で負の怨念を浄化してラスボスを倒す。」

なんとAくん、最終問題にして地球の環境問題をアニメに織り込んできたのである。この展開はさすがの筆者も予想していなかった。しかもあんなに「アニメなんてどれも同じ」と豪語していたAくんが、ラストのセリフまでしっかり想像してくるというとんでもない先読みっぷりを披露してくれたのだ。方向性は笑ってしまうレベルに外れているが、それほどに主人公に感情移入して考えてくれたのか、予想ストーリーを語るAくんの目は本気だった。こうしてAくんの意外な環境問題への意識の高さを垣間見つつ、この実験は幕を閉じた。

実験結果「やはりアニメは本編を観てみないとわからない」

実験前、「アニメの展開なんてどれも同じ」と豪語していたAくんだったが、結局予告編だけでアニメのストーリーを予想することはできなかった。飽和状態と言われがちの昨今の日本のアニメだが、どれもストーリーは奥深く、やはり1つ1つの作品に作り手の愛、そして個性が宿っていると結論づけられよう。Aくんも身をもってアニメの多様性を理解してくれたにちがいない。そう思い、「どう?アニメも結構面白いでしょう?」と声をかけてみると、こんな返事がかえってきた。

「まあ俺音楽は好きだから、ぶっちゃけ面白いストーリーよりかっこいいアニソンとか聴きたかったわ!」

読者の皆さん、アニメ布教の際は相手の好きなものから攻めていくことにしましょう。

画像:写真AC

執筆:チーム24

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