【40代男の就職】フリー歴17年!裏社会ライターは世間に受け入れられるか?

  by 丸野裕行  Tags :  

この写真をご覧になって、お察しの通り、この男は筋金入りのバカである。
丸野裕行、40歳―。裏社会ライター、犯罪ジャーナリストを名乗って、早17年になる。

まさか迎えるとは夢にも思っていなかったミドル世代になった途端、
頭の中は悩みや不安ばかり…。

「はたしてこのままでいいのか?」
「ローンも組むことができない根無し草の人生なんて想像もしなかった…」
「同級生はもう持ち家を持っている…」「母の老後の面倒を看られるだろうか…」
おい中島、空き地で野球やろうぜ!
などと、深夜に寝付いた幼子と妻の顔を眺めながら先々の心配事ばかりが頭をぐるぐる…。

「丸野さんって稼いでいるでしょ?」
「心配ないじゃないですか!」って、何回、周囲の人間から言われたことか…。

そんなわけありゃしない!大酒飲みで暴れん坊、そのうえインドア派で
最近写経をはじめてみようかなぁと本気で思っているそんな旦那に、
丸野家の台所事情は火の車

有名な雑誌に寄稿しようが、会社を持って電子書籍で本を出そうが、映画をやろうが、
やっぱりコワいフリーの生活。
私だって、住宅ローンくらい組んで、10坪くらいの小さなおうちが欲しいのですよ。
猫の額ほどの小さなお庭でパンジーくらいは植えたいのですよ!

かつて日本の転職市場では「35歳転職限界説」がささやかれていたのだが、最近では30代後半から40代の社会人経験豊富なミドル層への注目度が、中小企業やベンチャー企業を中心に高まっているそうだ。40代に入っても、まだまだやれる!そして、この裏社会ライターにも希望は残っているはずだ。

そんなこんなで『ガジェット通信』で連載を持たせてもらいましたが、
裏社会ライターという肩書を持つ私・丸野裕行は、
しっかり真面目に就職活動をはじめてみた!

狙うは、ライター職か、広報職

理想は、映画なんかの宣伝などもやっていたから、広報担当者か、長年やっているWebライター。
ちょっとマイ〇ビ転職の特集記事で予習してみたのだが、40代の転職で企業が求めているのは、営業職、人事、マーケティング、技術職などあればその道のプロ高い専門性を持った人材だそうだ。ここで、職種を変更するには40代ではやはり遅い。自分自身が今まで積み重ねた経験と実績を100%生かした転職をしてやろうじゃないの!
ハロワでも、人材紹介でもいい! とにかくそこへリハビリのようなよちよち歩き状態で、挑んでみようじゃないの!

とにかく、アレだ、あの~履歴書! 履歴書の写真を撮ってやろうじゃないの!
ということで、履歴書用の証明写真を撮ってみることにした。

正直な話、履歴書の写真というのは、どのようなものがベストなのだろうか?
清潔感があるとかないとか、誠実な感じが醸し出せているか出せていないかだとか、爽やかか爽やかじゃないとか…。とにかく、何が正解かわからないので、自宅でこんな感じなのかどうかをデジカメ自撮りテストしてみた。

まずは1枚目。そして、2枚目。
う~ん…。

まぁこんな感じだろうか、ま、まぁ~~~~~、、、
結構……、さっ、爽やかさん……、じゃないか、、、、、
我ながら顔が引き攣る…

どうせこんな顔だ! 爽やかにしようがない! 
とにかく、自撮りのデジカメでは埒があかん。

そこで、スーツ姿で近所のスーパー前に設置してある証明写真機を目指した。
その機械には、なんとイマドキの美白加工機能が付いているらしく、
なんだか男40にして、世の中に置いてきぼりを食った感じだ!

ちょっと周囲の目を気にしながら、そろーっと足を踏み入れ、
一気に体を滑り込ませると、カーテンをシャ~!
その狭さは、まるでフェスの簡易トイレ

証明写真を撮るだけでも一苦労

と、いきなりの中国語のアナウンスが流れてきた。おっ、ちょっと日本のことディスられているんじゃなかろうかという気分になりながら、なんとか、止めようとあたふたボタンを押す。

すると、なんと韓国語のアナウンスを選択してしまったようだ。

中年男が収監された独房の中に流れるハングル。
な、なんだか、北朝鮮の強制収容所みたいになってるよ、お母さん!

まったく理解できない言葉が何度も何度もリフレインしているんだけど、なんだろうか?
これはひょっとして「お金を入れてください」ってことなのか?

700円の小銭を投入口に放り込むと、ハングルはピタリと止まり、再びのハングル。もうパニックだ。
日本のど真ん中の小さなボックスの中にいながら、ソウルのど真ん中でいきなり置き去りにされた気持ち。このワナワナ感…まるで駅で切符が買えない老人だ、まったく。

どうにかこうにか、回転式の椅子を回し高さを調整し、
いつも以上に真剣な顔をして、フラッシュを光らせた。

写真を撮り終え、外に出ると、ウチの子供が通っている保育園のママさんたちの集団が…。
証明写真機から飛び出してきた、園で見かけたことのあるナイトワーク系の男を全員で凝視。

「あっ、こいつ、園に通ってる子のパパちゃうの?」
「何? 証明写真なんかええ年こいて撮っとんねん」
「なんやこいつ、リストラか? リストラか?」
「40歳にもなって面接か!」
「だいたい、こいつこんな風体で何の仕事してるねん」
「夜の仕事でも人員削減か!」

なんて言葉が、ビシビシ銃弾になって、オレの体と心につき刺さってくる。
彼女たちの視線に堪えられなくなったオレは、とにかく、
会釈して何事もなかったかのようにその場を立ち去った。 

まずどこに履歴書を送るか

ということで、手はじめに、京都で屈指の世界に羽ばたく従業員2000人以上が働く
某精密部品メーカーの広報の求人へ応募してみた。

人事担当者との面接、そして役員との2次面接、
それから筆記テストや適性検査など超高級フルコースがあるらしい。
さすがは、上場企業!
いや、待て、オレみたいな元裏社会ライターを雇って入社させてくれる
一部上場企業なんてあるのか?

いや、書類選考の時点で、どこかに紛れて通ってしまうかもしれない。
それに何かの拍子で面接で不戦勝になったとか何とかで、
繰り上げ採用になるかもしれない。
やらないよりは、チャレンジしてみるべきだろう。

肩書きもネットで検索すれば出てくるし、画像も出てくるし、
歳も四十路になっちゃったし、踏んだり蹴ったり、四重苦状態で、
履歴書と職務経歴書を送付。
果たしてこんな40がらみのしょっぱい人間を大手企業はどのように判断するのか?

数日後、求人サイトへ企業からメッセージが…!

【選考結果のご連絡】

丸野 裕行様
この度は、弊社求人にご応募いただき、ありがとうございました。
お送りいただきました応募データにもとづき厳正に選考した結果、
誠に残念ながら貴殿のご希望に添いかねることになりました。
何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。

略式ながら、メールにて通知申し上げます。
今後のご健勝、ご活躍を心よりお祈り申し上げます。

株式会社〇〇〇〇 採用担当

予想はしていたんだけど、底知れない無力感が自分を襲う。
自分の17年にも及ぶ、積み上げてきたライター人生とは一体なんだったのか。
あんなこと、こんなことあった日々は結局は何も残してくれなかったのか…。

まぁ、でも、こんなデッカい企業が、
大体、裏社会ライターなんてものを相手にしてくれるわけがない。
いいです、わかってますから…。

まぁ、ゴジラVS座敷犬くらいの差がありますもんで、
淡い期待すら…期待すら…、うぐぐぐぐぅぅぅぅううう(号泣)

ということで、まず初戦は、誰もが納得の撃沈

しかし、続けて応募しておいたシューズショップの広報職の求人からは、
【ぜひ面接でお会いしたい】という、先ほどの不採用通知をかき消すくらいの、目にも眩しい希望の光が丸野に降り注ぐ!!!

さてどうなる? 40歳を迎えた与太郎の就職!そして、ついに人生が大きく動きはじめる!!
と思う! 

≫≫次回、【で、裏社会ライターの丸野さんは一体なぜウチの会社へ応募したんですか?】へ続く

丸野裕行

丸野裕行(まるのひろゆき) 1976年11月9日京都生まれ。 小説家、脚本家、フリーライター、映画プロデューサー、株式会社オトコノアジト代表取締役。作家として様々な書籍や雑誌に寄稿。発禁処分の著書『木屋町DARUMA』を遠藤憲一主演で映画化。『初めての不動産投資マガジン』、『ママビズ‐mamabiz‐』などポータルサイトの編集長、俳優養成スクール講師、タレントとしてテレビ・ラジオ・トークイベントなど活動。地元京都のコラム掲載誌『京都夜本』配布中! 次回作に「純喫茶関東刑務所前」、「童貞保護区域指定01号」、「屠殺場、地獄絵図ヲ描ク。」がある。

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