[ドキュメンタリー] ”風俗嬢&中国人専門詐欺師”とは一体?  直接話を聞いてみた

  by マーヴェリック  Tags :  

知人に「風俗嬢と中国人専門の詐欺師がいる」という情報を聞いた。興味はそそられたが、どんな詐欺手口なのか見当もつかない。早速現役の詐欺師たちを紹介してもらい、その手口を全て告白してもらった。

俺は歌舞伎町のイメクラで雇われ店長をしていた。しかし、例の歌舞伎町ビル火災後に行なわれた一斉取締りで見せしめ摘発され、一年ほど臭い飯を食ってきた。上の組織から貰った見舞金も底をついてしまったので、店長時代の経験と知識を元に風俗嬢を騙してシノイできた。そろそろ、足を洗おうと思うので手口を洗いざらい話そうと思う。マネをするのは勝手だが、恐いお兄さんに見つかっても責任は取れないのであしからず。

最近の風俗業界では「エステ」が人気のようだ。サービスはソフトだが、癒しを求める中高年男性に人気らしい。韓国式エステと言う名称は、去年のワールドカップ日韓共催の影響で見かけなくなったが、アジアンエステやメンズエステと名を変えて営業している。しかし、実は韓国エステで働く外国のお嬢さん方のほとんどは中国人なのだ。本当のアガシなんて、悪運が強く入管に捕まらなかった5年選手くらいしかいないのが現状だ。

最近は韓国も台湾も日本との経済格差はほとんど無く、女の子の報酬もそれなりになってしまう。それならば、言葉が通じる日本の子使った方がよい。しかし、中国との経済格差はまだまだ大きい。日本人の半分、韓国人の3分の2くらいで済むのだ。
中国娘はご存知のとおり、スタイルは皆すらっとしていてデブの子はいない。しかし、問題は性格だ。社会主義国だからお客さんに対するサービス精神と言うものが全く無い。教えたサービスしかやらないくせに、金にはガメツイとオーナーからも不評だ。入国を手配しているチャイニーズマフィアの影もちらつくし、愛想が無いから店外デートに誘う客も少ない。風俗業界もデフレの波が押し寄せているので、人件費節約のためにやむなく中国娘を使っていると言うのが経営者側のホンネだ。

中国娘の求人の仕方をご存知だろうか?中国人向けフリーペーパーに「高収入アルバイト(女子のみ)」と中国語で載せるだけで応募が殺到する。中国人は横の繋がりが強く、一人採用すれば仲間を芋づる式に連れてくるらしいし、密入国している絶対数が違う。俺はさっそく新大久保の街角で人気のありそうなフリーペーパーを入手し、求人広告を載せた。掲載料は一行たった3000円で、三行広告を出したから合計9000円だった。

反響は予想以上だった。フリーペーパーに載せたトバシの携帯が鳴りやまなかった。あいにく俺は中国語が出来ないが、ほとんどの子がカタコトだが日本語は話せた。

 面接に来る中国娘のほとんどは、今勤めているエステより良い条件の店を探している子だ。俺は都内で五件のエステを経営する社長になりすまし、各店のサービス内容と女の子の取り分の一覧表を作った。この表は万国共通。一番報酬が高く、サービスが楽な店に配属されたいに決まっている。人事権を握っている金持ち社長に優しくされれば、シッポを振るのも万国共通だ。

 牛丼がご馳走の彼女達をしゃぶしゃぶ食い放題(寿司はなぜか人気が無い)にでも連れて行けばホテル直行間違い無しだ。しかし、残念ながらサービス精神は皆無で、テクニックはまったく期待できない。そこで俺はカメラを小道具にした。なぜか中国娘は写真に撮られることが大好きなのだ。ノリノリで時代遅れのポーズをとってははしゃぐ。その流れでハメ撮りまで持ち込めれば、しめたものだ。写真では日本人か中国人かなんてわからないので、ネットや雑誌に投稿すれば掲載料がもらえる。その金で日本人の子と遊べば一石二鳥だ。

俺の携帯番号しか知らないのだから、中国娘を使い捨てるのは簡単だ。しかし、俺はちゃんと仕事を紹介することにした。紹介と言ってもエステ店と面識があるわけではない。あらかじめ調べた店にホテルから電話番号を掛け「俺だけど女の子を紹介したい。いい子だから面倒を見てやってくれ」と女の子に代わるだけだ。
  
女の子は「社長に紹介された」と言うだろうが、店は本物の社長か客の社長かわからないし、女の子を紹介されて困ることなんて何も無い。今のところ本当の面接で断られた子はいない。ニセ社長の俺に「いいお店を紹介してもらった」と感謝して働いている子も多いようだ。万が一トラブった場合は写真を見せながら「入管にチクるぞ」と言うだけだ。
色々な中国娘を味見したが、中でも大当たりだったのはレイ(22歳)だ。彼女は不法入国の中国人ではなく、れっきとした中国人留学生だ。フリーぺーパーの広告を風俗じゃなくて、まっとうなアルバイトだと思い込んで電話をしてきたという天然女だ。話を聞くと本当にお嬢様育ちで、父親は旅行会社の社長だという。

日本の大学に経営を勉強しに来ていたが、SARSの影響で仕送りが遅れているらしい。日本語もペラペラで、読み書きパソコンも出来る才媛だ。例の系列店一覧表は今回に限って不要だ。

「私は小説家ですが、中国を舞台にした小説を書こうと思っています。来年、取材旅行に行こうと思うので、中国語を教えてくれる人を探しています」
「小説家。すごいですね。学校がない時ならいつでもできます。先生はしたこと無いけど、がんばります」
「いや。先生って言うほど大げさなものじゃないよ。週に一回ぐらいご飯でも食べながら教えてもらえればいいんだ。簡単な翻訳を頼む事もあるかもしれないけどね。一回一万円でどうかな?」
「そんなに貰えるんですか。やります。是非やらせてください!」

相場が分からなかったので、適当に一万円と言ってみたがレイの目の色が変わった。小汚い援交少女にメシをタカられるくらいなら、中国の知的お嬢様とのお勉強の方が楽しいに決まっている。
 レイと愛人関係になるまで時間は掛からなかった。同じ中国娘でも、上流階級のお嬢様と不法入国の風俗嬢は全然違う。セックスは消極的だが、その恥じらいにそそられる。日本の女たちが無くしてしまった何かを持っているようだ。俺はレイに入れ込んだ。

ある日、パソコンのブックマークを整理していたら、アミのHPが見つかった。変な客の話、仕事のグチ、彼氏のノロケ話、バンドのおっかけ話、借金自慢、ペットの写真にセルフヌード。アミは俺が店長をしていた店の子で、このHPがきっかけで、現役風俗嬢ライターとしてデビューをした。風俗雑誌にイラスト入りのコラムを連載したりして、店の売り上げにもだいぶ貢献してくれた。もう、四年も前の話だ。今は風俗からも足を洗い、幸せになっていると噂で聞いた。

サーチエンジンに「現役風俗嬢」と入れると、腐るほどこの手のサイトが引っかかった。風俗嬢ライターなんてどこかに消えてしまったが、いまだにHPをきっかけにライターデビューを目論む風俗嬢は多いようだ。よせばいいのにモテナイ男たちがアイドルのように崇め、女の勘違いを助長する。次のターゲットはここだ。

俺は出版社の人間を装って、ネットで日記を公開する風俗嬢たちにメールを出した。インターネットで文章を発表している奴は誰でも「あわよくば自分も」と一攫千金を狙っている。風俗を辞めた後のことを考えて不安になっている風俗嬢ならなおさらだ。大喜びで勘違い女から返事が来るまで時間はかからなかった。

ここまでは調子が良かったのだが、ある問題が起きた。現役風俗嬢のHPと謳っておきながら、実際働いていたのは遠い昔のババァだったり、アクセスアップの為に風俗嬢を騙ったオタク女だったり、ひどいのだとネカマの妄想なんてのもあった。こまめにメールでやり取りをし、なんちゃって風俗嬢を見抜いていく。中国娘の時と違って、かなり苦戦をした。

俺は池袋のイメクラ嬢マキにターゲットを絞った。非常識なメールに混じって、まともな話を出来たのはマキくらいだったのだから仕方が無い。仕事のメールに顔文字は無いだろう。顔文字は。本当にHPを公開している風俗嬢は「イタイ」女が多い。

池袋の喫茶店に現れたマキは期待以上にかわいかった。ジュディマリのYUKI似のロリ顔に巨乳。イメクラで一番指名を稼げそうなタイプだ。店やネットでは19歳と言う事になっているが、本当は22歳だという。見かけとは裏腹に、しっかりしているのはこのせいかもしれない。

風俗嬢ライター全盛の頃、アミが書いた単行本をマキに見せこう言った。

「彼女を発掘したのは僕なんだけど、実は彼女病気でね。ここだけの話だけど、今も精神科に入院してるんだ。たぶん再起は無理だろうね。それで、後任を探しているんだ」
「そうなんですか。大変ですね…」
「実はキミのサイトをみて、彼女を見つけた時と同じ衝撃を受けたんだよ。まったく無名のキミを推すのは、僕にとってもギャンブルなんだけどね。僕は自分の直感を信じたいんだ!アミは繊細な子だったから残念な事になったけど、キミの文章からは芯の強さを感じるんだ。絶対に売れると思うよ!」
 マキの目は潤んでいた。後はもうこっちのものだ。マキは複雑な家庭環境に育った事や、上京してからのつらい体験を泣きながら語った。それを一人で乗り越えてきたことをアピールしたかったのだろう。俺は親身に話を聞いた。
「ネットの日記を単行本化する場合は、出版社がその費用を全額持たないってのは知ってるよね?どんなに才能があっても、会社にとっては無名の新人だからね。費用の何割かを作者が持つのが慣例なんだ。それは用意できるよね?」
「はっ、はい。でも、いくらくらいですか?」
「発行部数によるけど、2、30万円くらいかな?どうせ、その何倍もの印税が入ってくるし。問題は無いと思うよ」
「な~んだ。もっと何百万円もかかるのかと思った」
初めてマキは笑った。マキは店に「生理が始まった」と嘘の電話を掛け、そのまま夜の打ち合わせへとなだれ込んだ。夢のような話にマキは興奮したのか、イザ挿入と言うときに本当に生理が始まってしまったのには驚いたが(笑)
血が混じったピンク色のザーメンをぶちまけると、マキのほうから「つきあって」と告白してきた。

翌日、出版費用として30万円を受け取った。マキはさっそく原稿をまとめ始めたのだが、一向に進まなかった。なぜなら、俺と半同棲状態になり、毎晩ハメまくっていたのだから。一週間たったある日、俺は切羽詰った声でマキに電話を掛けた。
「マキもしかして日記に俺たちの事を書いたのか?担当者が作家に手をつけるのはご法度だって事くらいわからなかったのかよ!編集長にバレちゃったじゃないか!俺は左遷されるし、マキの本も立ち消えるかもしれないんだぞ!」
「いいわ。それでも。あなたと一緒にいられれば!」

 出版社をクビになった事になっている俺は、マキに食わせてもらっている。「職安に行ってくる」と言って出掛けては、レイの中国語講座を受けている俺は絶対にロクな死に方はしないだろう。マキの生理が遅れているようだし、そろそろ年貢の納め時なのかもしれないな・・。

韓国や台湾の「こなれた」アジアン女性ではなく、まだまだ純粋さを持つ中国女性たちにタ-ゲット移し、手玉にとる彼ら。自分の生い立ち、そして自己顕示欲の強い風俗嬢たちの心理を逆手にとるその手口。それはまさに詐欺、ではある。しかし、彼女たちが欲しがっている「お金」や「愛情」「自己顕示欲」といったものを、たとえ一時でも「体感」させてあげているという側面があることも、また事実なのだ。

彼女たちが求めているものは様々だが、結局のところ、それをあからさまにしていると、そこにつけこむ彼らの巧妙なワナに簡単にはまってしまうことになるのだろう。

ガジェット通信寄稿しています。1995年設立・出版編集プロダクション法人代表取締役兼カメライターの人。出版メディア業界歴20年。単行本50冊、雑誌/新聞100誌以上の執筆・取材・撮影・編集に携わりました。◆各種ご依頼などはこちらへ◆