ビールを選ぶか写真を選ぶかそれが問題だ!『フォトビー』でビールを極める

  by 古川 智規  Tags :  


サッポロビールが提供している「フォトビー」という、ラベルオーダーメイドのサービスがある。
瓶ビールのラベルをオリジナルなもので作成できるこのサービスは、ビールという商品の特性から父の日のプレゼントに最適だと思われる。
しかし、それだけではもったいないと感じた記者は、趣味的な用途で注文できないものかと考えた。
そして、実際に作ってみたのでレポートする。

ラベルの作成はスマホでもPCでも可能で、専用のページに写真をアップロードすることからスタートする。
フレームもテーマに沿って様々で、完全オリジナルで作成することも可能だ。
1瓶当たりの容量は305ミリリットルで3本、6本、16本から選択できるが、記者は3本に。またビールの種類もピルスナー、ヴァイツェン、デュンケルの3種類から選択が可能だ。記者は伝統的な製法である下面発酵のデュンケルを選択した。

時間がなかったので、既存のフレームを使用したが、そのフレームが古風な右書きだったので、テキスト部分も右書きにした。
気が付いた方も多いと思うが、記者は乗り物大好き人間なので、平成24年10月6日に運転されたお召し列車を市ヶ谷駅で撮影した写真を使用した。つまり、撮り鉄写真というわけだ。父の日も記念日も何も関係なくても、自分の趣味で撮影した写真をビールのラベルにできるという点に着目した注文だ。

さて、デザインに問題がなければ注文作業を進めていく。

自分で作って自分で消費する場合は自分あてに発送すればよいが、プレゼントの場合は贈答する人へ直接発送することもできる。
遠隔地のパパにオリジナルビールのプレゼントという使い方が想定される。

こうして注文したビールは、発送完了のメールが届き、やがて宅配便で送り届けられる。
サッポロビールの白い段ボール箱が届いた。味もそっけもない。

と思っていたら、中にはさらに箱が入っていて、フォトビー専用のギフトボックスが「正規」の箱だったというわけだ。白い箱はあくまでも配送用の「外箱」に過ぎなかった。

恐る恐る箱を開けてみると、自分で言うのもなんだが見事なオリジナルビールが鎮座していた。思わず「おー!」と声が漏れたのは言うまでもない。

写真もテキストもばっちり注文通りだ。

苦労して入力した右書きのテキストもちゃんと入っている。
イメージ通りの昔っぽさがたまらない。もっともこの辺りは個人の好みの問題だが、オシャレにしようと思えばいくらでもできるので、センスの問題だと言っておこう。

サッポロビールの上田有紀さんに話を聞いた。

--どのような経緯でこのような商品を開発したのですか?

「ビールといいますと、大量生産で大きなロットというイメージがあると思うのですが、そうではなくて小ロットでも気軽にに楽しんでいただきたいという思いで開発しました。最近はスマホで気軽に写真を撮れますし、それをSNSに公開することも普通に行われています。加工も比較的簡単にできますよね。それを生かしてオーダーメイドを楽しんでいただきたいということですね」

--どのような方が多く利用されているのでしょうか?

「30代の女性が最も多いです。いまのところは写真の被写体として、子供や家族、ペットなどが多いので30代女性の需要に合致しているのかもしれません。家族や子供の写真ですと、内祝いや遠隔地のおじいちゃんやおばあちゃんに送るといった使い方、ペットですと家族の一員という側面から自ら注文される方も多いです。プレゼント目的も多いようです。記者さんのように鉄道が被写体というケースはあまりないですね(笑)」

--いちいちチェックされているのですか?

「はい。これは著作権の関係上必要なことなので、例えば芸能人の肖像を無断で使用するなどして注文されることを防ぐ目的でチェックさせていただいています」

--ビールは市販のものを詰めているのですか?

「違います。当社の那須工場でフォトビー専用に作ったビールを使用しています。従いまして、ラベルだけではなく、中身のビールもオリジナルです」

こうなると、記念に作ったラベルであっても中身のビールも気になるところだ。ここまでくると、瓶とビールともどもクラフトビールといっても過言ではないだろう。

撮り鉄さんに限らず、飛行機やバスや自動車、風景や人物、動物や鳥や花等の撮影を趣味にしている方は多いだろう。
デジタルカメラが主流になり、撮影そのものは非常にしやすくなった半面、撮影したデータはモニター上で鑑賞した後はハードディスクに保存して終わりというケースが多いのではないだろうか。中にはプリントしたり、SNSやホームページで公開することもあるだろう。しかし、自慢の作品を何らかの形として残すにはパネルにしたり、写真集を作ったりと手間も費用も掛かる。同じ手間と費用をかけるのであれば、このようなオリジナルビールにしてしまうという手もアリなのかと思う。

父の日のプレゼントであれば、パパの写真でもいいが、パパの趣味の写真データをもらってビールにしてプレゼントするというのはどうだろう。写真の趣味がなくても、パパの趣味没頭中の写真を撮影してビールにするのもいいと思う。

さて、できれば開封はしたくないし、飲んでしまいたくもない。そのまま箱に大切にしまって「永久保存」としておきたいところではあるが、取材のためには味のレポートも必要だ。泣く泣く記者は開栓した。
もっとも、ビールを味わう賞味用、箱を開けて見て飾る観賞用、箱を開けない保存用と3セット注文すればいいだけの話なのだが。

記者が注文したデュンケルは、苦みとコクのきいた下面発酵独特の深い味わいのおいしいビールだった。おそらく3本はあっという間だろう。瓶なのできれいに洗って乾かせば鑑賞には耐えるが、やはり中身がないのはさみしい。しかし、ビールは飲んでこそおいしいものなので、そのジレンマに悩まされるのも楽しみのうちととらえて、「自分だけのビール」を作る楽しみも一緒に味わっていただきたい。

※写真はすべて記者撮影

乗り物大好き。好奇心旺盛。いいことも悪いこともあるさ。どうせなら知らないことを知って、違う価値観を覗いて、上も下も右も左もそれぞれの立ち位置で一緒に見聞を広げましょう。

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