EU離脱を選択したイギリスの国民投票は世紀の茶番劇!?

  by 十種(トクサ)  Tags :  

国民投票の当日、開票速報が出る度に株価と為替が乱高下した。世界中を巻き込んだ壮大な茶番劇の結果は、想定外の離脱派の勝利。その結果、日本の市場では株価は下がり円高が一気に進んだ。
イギリスがEU離脱を選択したからといって、直ぐさま実体経済に大きなインパクトがあるわけではない。にもかかわらず、市場が混乱したのはEU離脱という想定外の結果で先行きに不安を感じたからだ。つまり、実体的な影響によるものではなく気分で市場が混乱しただけのこと。

EU離脱による市場の混乱は一過性で大金持ちは損しない
急激な株安で大損した投資家もいるだろうが、安値で売らない限り一時的な含み損でしかない。一過性の下落なので、一時的に安値になったところで株を持ち続けられる大金持ちは損することはない。
大損をしたのは、残留すると予想して油断していた相場師達だろう。世界中の大金持ちは、世紀の茶番劇を冷ややかな目で見ていたに違いない。多少の混乱はあったとしても、時間が経てば収束することを知っているからだ。


敵前逃亡した離脱派の指導者ボリス・ジョンソン
茶番の極め付きは、勝利した離脱派のボリス・ジョンソン前ロンドン市長の敵前逃亡劇である。離脱派の国民は、当然、次の英国首相に立候補すると思っていた。
彼はキャメロン英首相と同じく、名門イートン校からケンブリッチに進んだエリート。TVで報道番組の司会を経験し、メディアを利用する術を心得ていた。庶民派の政治家として人気があり、離脱派の期待も大きかった。
ところが、土壇場で「自分にはその資格が無い」などと分けのわからぬことを言って出馬を見送ったのである。この予想外の表明に離脱派は凍りつき、イギリス中、いや世界中が唖然とした。
かつての大英帝国の威厳を取り戻し、移民を締め出してイギリス人の雇用と治安を守る政策を実施してくれるはずだった。しかしその期待は、いとも簡単に裏切られたというわけだ。

そもそも勝つと予想していなかった
散々離脱を煽っておいて、実は離脱後の具体的な策など何もなかった。そもそもボリス・ジョンソン自身、まさか離脱派が勝利するとは思っていなかった。彼の目的は勝利することではなく、この戦いを通じて自分の存在感を高めることで、僅差で敗れると踏んでいたのである。だから、離脱後の具体的な策などあるはずがない。つまり、単にポピュリズムの扇動者に過ぎなかったということである。

茶番劇の第2幕はそう遠くないうちに始まる
離脱に票を投じた国民の多くが今になって後悔し、離脱のデメリットに不安を覚えて国民投票のやり直しを望む署名が400万を超えているという。
EUの加盟各国は離脱ドミノを警戒しており、離脱を決めたイギリスに厳しい態度を取らざるをえない事情がある。それ故、離脱派が望むような都合の良い道は開かれない。その現実を目の前に突き付けられれば更に国論は残留に大きくシフトしていくだろう。そこで、茶番劇の第2幕が上がるというわけだ。
民主主義が成熟しているはずのイギリスでさえ、ポピュリズムに扇動され冷静な判断ができなかった。直接民主主義の極みであるはずの国民投票なのだが、今回の茶番劇はその危うさを露呈する結果になったといえる。

イギリスのEU離脱が間違いだったと言いきれるかというと、一概にそうとは限らない。冷静かつ理論的に考えれば、残留が正解のように見える。しかし、本当のところは誰にも分からないのではないか。
アメリカ大統領選でも、似たようなポピュリズムの構図が垣間見える。過激な言動に人気が集まり、消えるだろうと思われていたトランプ氏が共和党の指名を獲得してしまった。
しかし、トランプとヒラリーのどちらが大統領になるが正解なのかは誰も分からない。確かにポピュリズムには危うさがあるが、だからといって必ずしも間違いと断言できるものでもない。どんな選択をすべきだったのかは、いずれ歴史が語ってくれるだろう。

画像出典
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http://i.telegraph.co.uk/multimedia/archive/02675/BORIS-JOHNSON_2675593b.jpg

住み慣れた横浜から山陰の田舎に移り住んだ、名もない無位無官のジジイです。 年の功で、少しは物事の本質を見る術を知っているかも。

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