【通勤読書】34:エビスさんとホテイさん

<『エビスさんとホテイさん』 きづきあきら+サトウナンキ>
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この本は、複数の社会人百合好きの方から薦められて読みました。「社会人で百合なら、これだよ!」的なことをたくさん言われて興味を持ちました。物語をざっくり説明すると、エリートOLである『エビス』さんと普通のOLである『ホテイ』さんが、なんだかんだする話です。ちなみに、エビスさんのフルネームは恵比寿真代、ホテイさんのフルネームは布袋ちづる、同じ年齢の大人の女性です。
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ホテイさんはエビスさんに対して、初対面だった会議で皆の前で恥をかかされるという最悪の思い出があります。そんなエビスさんが本社からホテイさんのいる地方支社に転勤してきて・・・という感じで物語は進行します。本社にて出世街道まっしぐらだったエビスさんは、勤務先が地方支社になっても嫌味なくらい有能で、ライバル心をチクチクと刺激されたホテイさんは書類にコーヒーをこぼすことから始まる様々ないじめをエビスさんに行ってしまいます。そんな中、ホテイさんはエビスさんが抱えている『秘密』を知ってしまいます。会社で活躍するエビスさんの眩しさで劣等感の塊になっていたホテイさんですが、この『秘密』が劣等感を持つほど嫌だった『普通の自分』の存在理由を作ることになり、二人の関係も距離を縮めていきます。感情のやり取りが進む中で分かったのは、ホテイさんがエビスさんのエリートらしさに暗いスイッチを押されたように、エビスさんもホテイさんの普通の可愛さに暗いスイッチを押された過去があったこと。この伏線が、とてもよかったです。
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ちなみに、二人それぞれの名前になっている『恵比寿』と『布袋』ですが、七福神のご利益を調べてみたら、恵比寿様のご利益は主に「商売繁盛」、布袋様のご利益は主に「家庭円満」なのだそうです。それを踏まえて読み直すと、「なるほど、なるほど」と思ってしまうかもしれません。商売繁盛のエビスさんが進みたい未来と、家庭円満のホテイさんが進みたい未来。その二つがどのように交わって行くのかを見届けられた、読後感のいい、素敵な社会人百合でした。 おススメです。
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(写真は著者撮影)
※紙媒体ではなく、Kindleで購入後、スマートフォン、タブレットで読書することが増えたため、添付写真がこのスタイルになっております。ご了承ください。

Kindle作家と会社員の兼業。AmazonKindleにて小説発売中。通勤中の読書をテーマにのんびりと執筆していきます。

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