【通勤読書】27:楽園の条件

<『楽園の条件』 森島明子>
*****
この本は、 『瑠璃色の夢』 を薦めてくれた方々が「これも読んでよ!」と言ってくれていたので読みました。「楽園の条件」「星の向こうがわ」「木漏れ日の中で」「20娘×30乙女」「「攻」⇔「守」」「そして僕らは愛を目指す」「桃の味」「桜姫花吹雪」の8作からなる短編集です。今回は26歳の主人公「沙里菜」と同級生の「澄」のお話で表題作にもなっている「楽園の条件」、連作になっている「星の向こうがわ」「木漏れ日の中で」について書いていきます。
*****
OLの沙里菜と世界を股にかけて移動しているライターの澄は、キスまではしている友達以上、恋人未満の状態。帰国する度に沙里菜の家に泊まり、また海外に出かける澄に「一緒に住まない?」と沙里菜が提案することで関係が進展し、二人は一線を越えることになります。ここで付け加えておきたいのは、同級生だった二人のそれぞれの環境。沙里菜は彼を作って交際し、澄はそんな彼女に片想いしており、友人として恋の相談を受ける間柄。それは、大人になってからも続き、しかも、「彼と別れた」と泣く沙里菜をなぐさめる澄は片想い継続中です。ですが、「ダメなら言って。沙里菜がイヤなことはしないから」という予防線を張りつつ、澄がリードして一線を越えます。このシーンの、ヘテロである沙里菜との関係を壊さないようにしつつも、友情から愛情にシフトさせていく澄の行動が素敵です。
*****
連作を読んでいくにつれて、気になったところがひとつ。それは、綺麗なネイルが乗せてあった沙里菜の爪が短くなっているところ。女性同士が契る場合、男女のように凸部分を凹部分に突っ込んで終わり、ということにはなりません。使用する体の部位は主に指と舌。舌は角ばった箇所がありませんが、指には爪があります。しかも、ネイルを乗せてある爪で相手の体に触れようものなら、肌や凹部分を傷つけることは避けられない。そして、一線を越えた後の沙里菜は、ただただ受身でいくのかと思いきや、爪が短くなっている。それに気づいた時には、「これは・・・」と、読んでいる私も彼女の積極的な展開を期待しつつ、いろいろと捗りました。素敵な作品集でした。 おススメです。
*****
(写真は著者撮影)
※紙媒体ではなく、Kindleで購入後、スマートフォンで読書することが増えたため、添付写真がこのスタイルになっております。ご了承ください。
*****
◎関連記事
・【通勤読書】24:瑠璃色の夢

Kindle作家と会社員の兼業。AmazonKindleにて小説発売中。通勤中の読書をテーマにのんびりと執筆していきます。

ウェブサイト: http://metroswitchcompany.jimdo.com/