Facebookは、2016年に、企業向けのSNSサイト、Facebook at Workのサービスを正式に開始する計画である。

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 Facebookは、2016年に、企業向けのソーシアル・ネットワーキング・サービス、 Facebook at Workのサービスを、正式に開始する計画である。 2015年12月21日

 By Rachael King、WSJ

 企業SNSサービス、Facebook at Workは、従来のFacebookと似た、ルック&フィールを提供しながら、パーソナル向けSNSサービスとは分離され、個人のアカウントを持つことを要求しないようだ。

 2016年に、Facebookは、数か月間、βテストを実施した後、従来のソーシアル・ネットワーキング・サービスのビジネス版の、企業SNSサービス、Facebook at Workを開始する。

 FacebookのSNSサイトは、人が対話する方法を大きく変えたが、特に、大企業の従業員が仕事を行う方法に、大きな変化を与えていなかった。

 IDCによると、MicrosoftやSalesforce.comを含む、ソフトウェア・ベンダは、企業SNSやコラボレーション・ツール(MicrosoftのYammerやSalesforce.comのChatterなど)で、企業向けのソーシアル・ネットワーキング・サービス市場を再構築することを試みたが、企業に、あまり採用されていないという。

 2016年に、Facebookは、仕事の効率を向上させたり、顧客やパートナーとの協調を改善させたりするための、企業SNSサイト、Facebook at Workを開設し、企業向けのソーシアル・ネットワーキング・サービス市場を変えることに取り組んで行く。

 現在のFacebookの15億5000万人のアクティブ・ユーザは、同社に、企業SNSサイトの有利なスタートをもたらすだろう。

 成功の鍵の1つは、従業員が、アカウントを、Facebookから、Facebook at Workに切り換える必要なく、実際に仕事で利用できるよう、エンタープライズ・ソフトウェアを、Facebookのプラットフォームに統合することだろう。

 RBS銀行(Royal Bank of Scotland)は、Facebook at Workの試験プログラムに参加した、6万社の企業の1社である。

 この半年間に、Facebookは、Facebook at Workのサービスをリファインするために、企業や従業員などのニーズを学ぶために、RBS、Club Med、および、Heineken NVを含む、300社の企業と協調してきた。

 Facebookは、Facebook at Workの試験プログラムに参加した、世界の、さまざまな業界の6万社の企業と、この企業SNSサービスをテストしてきた。

 Facebookと同じルック&フィールを持つ、企業SNSサービス、Facebook at Workを使用している従業員は、Facebookで友達とリンクするのと同じ方法で、同僚とつながることができる。

 Facebook at Workは、パーソナル・サービスから分離されており、ユーザは、パーソナル・アカウントを持つ必要がない。

 Facebookは、企業SNSサービス、Facebook at Workに、エンタープライズ級のセキュリティとアドミニストレーション・ツールを組み込んだ。

 RBS銀行は、行員が、Facebook at Workを、より広く利用できるようにすることにコミットした。

 8週間前に、RBS銀行は、10万人の行員の内、約500人を、Facebook at Workの試験プログラムに参加させたが、現在は、参加する行員を5,000人以上に増やした。

 RBS銀行は、2016年1Q末までに、Facebook at Workの試験プログラムに参加する行員を、さらに、3万人増やし、2016年前半末までに、5万人にする計画であるという。

 RBS銀行は、Facebook at Workが、より透過的、協調的、および、非階層的な文化を促すことを期待している。

 企業は、Facebook at Workで、従業員が、互いに、コミュニケートし、議論し、情報を共有し、問題を解決できるようになることを期待している。

 Facebookは、企業が、メールを使って、コミュニケートしていた情報を、Facebook at Workを使って、セキュアに交換できるようにする。

 また、Facebookは、従来のグループウェアを使って、コミュニケートし、協調したり、共有したりしていた情報や作業を、Facebook at Workを使って、セキュアに実施できるようにする。

 Gartnerのリサーチ・ディレクタ、Blasu氏によると、Facebook at Workが、ゲーム・チェンジャーになるかどうかを言うのは、まだ難しいという。

 2015年初めに、IDCは、世界の企業SNS市場の成長の予測を下げた。

 IDCは、世界の企業SNSの年間売上が、2014年における、14億6000万ドルから、5年間で、約19%成長し、2019年までに、35億ドルになると期待している。

 Facebookは、サービスとしてのソフトウェア(SaaS)のフリーミアム・モデルにすることで、企業に魅力的にする計画である。

 RBS銀行などの企業は、現在、Facebook at Workを無料で使用している。

 より顧客サポートや、エンタープライズ・ソフトウェア&分析との統合を望む会社は、毎月、ユーザ当り、数ドルを支払うようになるようだ。

 Salesforce Community CloudとChatterを、顧客関係管理(CRM)製品に統合している企業もある。

 Salesforceによると、顧客は、Salesforceコラボレーション・ツールを、3rdパーティのアプリケーションに組み込むことができ、3rdパーティのコンポーネントを、Salesforceプラットフォームに統合することもできるという。

 Microsoftによると、Yammerは、50万社以上の企業により使用されており、Office 365の重要なコンポーネントになっている。

 Facebook at Workは、独自のエンタープライズ・エコシステムの構築を開始しており、Facebookは、作業ツール、API、および、開発ツールを、消費者サービスと同じくらい魅力的にしたがっている。

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