近未来に肉や魚より昆虫を食べる習慣が普及する? FAO(国連食糧農業機関)が昆虫食を評価  

  by 松沢直樹  Tags :  

新年を迎えるこの時期は、食料品の消費が激しい時期でもあります。同時に、大量の食料品が全国各地や世界から集まってくることもあって、流通・消費しきれない食品が、生ゴミとなってしまうことも懸念されています。

実際、総務省や財務省のデータによると、一般的なご家庭は、毎月2000円程度の食品を廃棄してしまっていることがわかっています。当然のことですが、これだけの無駄を日本全体で行えば、莫大な量になります。

特に、人間の体を作るために欠かせないタンパク源となる肉や魚は、出荷できる大きさに育てるために、莫大な時間と飼料が必要となります。
世界の人口増加を懸念したのか、国連の機関であるFAO(国連食糧農業機関)が、栄養価(高タンパク)と環境負荷の点から食用とされている昆虫について言及したことから、食用昆虫への評価が高まっています。

コオロギを例にとれば、飼料は、同じ量のタンパク質を取るための牛肉や豚肉の1/5程度で済みます。また、炭酸ガス排出による環境への負荷も比べものになりません。

古くから、長野県などの内陸では、イナゴなどを佃煮にする習慣があります。とはいえ、日本全体でみれば、昆虫を食材とする習慣は一般的ではありません。そのため、調理した際の昆虫の姿などから、一般的な普及が進まないといわれています。

したがって、いなごの佃煮のように、おつまみや、副菜といった形で普及を進めるのが現実的だといわれています。

ちなみに、セミのフライは、ポテトチップスのようで軽い味わい。コオロギを干したものは、煮干しのように味が出るのだとか。

筆者は、幼少時に、捕獲したイナゴを鍋で生きたまま煮て、佃煮を作る祖母の姿を覚えていますが、自分がやるとなると……ちょっと厳しいです。

※写真はイメージ 足成より http://www.ashinari.com/2009/02/22-014417.php

松沢直樹

福岡県北九州市出身。主な取材フィールドは、フード、医療、社会保障など。近著に「食費革命」「うちの職場は隠れブラックかも」(三五館)」近年は児童文学作品も上梓。連合ユニオン東京・委託労働者ユニオン執行副委員長