【通勤読書】22:やがて君になる

<『やがて君になる』 仲谷鳰>
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この本は、周囲の人たちから「もう読んだか?」と言われまくり、そして百合好き以外の方からもすすめられて読みました。ざっくり説明すると、高校一年生の小糸侑が生徒会を手伝うことになり、生徒会役員であり生徒会長候補の先輩・七海燈子と出会って、なんだかんだしていくお話です。どちらかと言えば、私は主人公の侑ではなく燈子に注目して読みました。ちなみに、2015年11月現在では第1巻しか発売されておらず、結末は不明です。
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「わたしには特別って気持ちがわからないんです」という侑、「今まで好きって言われて、どきどきしたことないもの」という燈子、二人は人を好きになることができないはずでした。そんな中、あることをきっかけに「私、君のこと好きになりそう」と侑に告げ、燈子が先に抜けていきます。燈子が初めてどきどきした「好き」は、自分の口から放たれたものでした。基本的には「小糸さん」、二人の時は「君」、感情が昂ぶると「侑」と呼び分けながら、燈子は侑に対して気持ちをぶつけていきます。この辺りは、侑に告白したもう一人の中学の同級生とは対照的。同級生は侑の返事をひたすら待ちましたが、燈子は返事を気にしないで進みます。燈子が進み続ける先が、英文タイトルである『Bloom into you』に繋がるのかなと。
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特に印象深かったのは二つあった三連写の描写です。一つは踏切のシーン。燈子が線路を越え、侑に対する最初の一線も越えた後の余韻から現実に戻るところ。燈子が行動を起こして先に進む、そして、侑が置いて行かれないように付いていきます。もう一つは自動販売機のシーン。小銭が無かった侑が買うのを諦め、それを見た燈子が自分の紅茶のペットボトルを侑に差し出し、侑がそれを飲んで返すところ。これは、燈子が飲物を買えなかった侑に紅茶を与えただけに見えて、実は侑の方も無意識に間接キスという行為で燈子に喜びを与えています。この二つの三連写の描写がとてもいい! そして、燈子が侑に申請した初恋が、二人にどんな影響を与えるのか気になります! という訳でおススメです。
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(写真は著者撮影)
※紙媒体ではなく、Kindleで購入後、スマートフォンで読書することが増えたため、添付写真がこのスタイルになっております。ご了承ください。
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◎関連リンク
・アスキーメディアワークスウェブ『やがて君になる』
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WEB作家と会社員の兼業。AmazonKindleにて小説発売中。わりといい年齢の社会人女です。電子書籍で百合作品を読む人を少しでも増やせたらと活動中。ご贔屓に。

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