「ARASHI blust in Miyagi」で勿体なかったこと。

  by セノヲ ハル  Tags :  

シルバーウィークの象徴のようなイベントとなった「ARASHI BLAST in Miyagi」。
 宮城県利府町のひとめぼれスタジアムで復興支援と風化防止を目的に開催された同コンサートは、経済効果93億円とも言われ、観光業や運送業などを中心に全国に大きな影響をもたらした。
 宮城県で8年ぶりの開催となった嵐のコンサートは、グッズ販売や大野智さんの絵画展に加え、地元の食材や名物を振舞う「復興応援市場」が大きな目玉となった。
 牛タンや笹かまぼこをはじめとする宮城県の特産品に加え、かき氷やフライドポテトなどのお祭りの屋台のような軽食、さらにはケバブや佐世保バーガーなど県や国を跨いだ食べ物など、一日では到底回りきれない様々なメニューが立ち並んだ。どの店にも長蛇の列ができ、買うだけでも至難の業である。特に、嵐のメンバーがテレビ番組などで食べたり話題にしたりした飲食物は売り切れが相次いだ。
 賑わいを見せた復興応援市場だが、賑わうがゆえの大きな問題もあった。どこに何が売られているのかわからないという問題である。市場は、コンサート会場脇の広場の外周とグッズ売り場の隣に作られた。20万8000人を動員したというコンサートは、グッズ購入のみを目的とした来場者や同時開催の絵画展を見に来た来場者などを含めるとさらに多くの人々でごった返していたに違いない。市場にどんな食べ物があったのか知るには、関連のウェブサイトで確認するか、自らの足で歩き確認するしかなかった。
 現地にいたすべての参加者がコンサートを観覧できるわけではないように、市場にいたすべての人がウェブサイトで事前に何があるのかを確認していたわけではないだろう。足で確認するのも困難である。復興をうたい、全国各地からたくさんの人が押し寄せたコンサートは、各地から会場直通のアクセスバスもたくさん行き来していた。アクセスバスは観光地に立ち寄るわけではないので、利用者が宮城や東北各地のお土産を買うなら市場しかない。しかも、グッズや絵画展の列にも並びたいとなれば、のんびりと市場を見て歩く時間はないに等しい。せっかく遠方から来た人々がつかの間の観光気分を味わう機会だったのを、どこに何があるかわからないという状態では、出店側としてもイベント参加者側としても「勿体ない」の一言に尽きる。
 会場案内の看板は随所に立てられていたのだから、同じように立て看板を立てたらどうだったろう。コンサートチケットと一緒に市場の地図などのチラシを同封してみたらもっと市場の賑わいは違ったのではないだろうか。
 ARASHI BLAST in Miyagiに参加して感じた、たった一つ残念なことだった。

嵐、ラーメンズ、オフィスCUE関係が好き。小説家になりたいけど詩を評価されることが多い。貴腐人。