読前読書録vol.16 吉村龍一「真夏のバディ」

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 愛する者同士が見つめ合うのではなく、神を信じる二人がそれぞれ神を見つめ神に近づくこと。それが二人が近づくための道なのだ。神を信じる友が、かつて夫婦の愛について教えてくれたことがある。そういえば仲のいいカップルほど、向かい合わせではなく隣り合わせに座ると聞く。二人が上手くゆく秘訣、それはお互いを見つめることではなく、同じものを見つめることなのだ。何も男女の関係に限ったことではない。女同士、男同士でもそれは同じだ。
 互いを見れば、いつかそこに粗が見える。あるいは羨望が忍び寄る。他者を見つめれば見つめるほど、明らかになるのは自分との差異だけだ。境遇、才能、キャラクター。同じものはひとつだってない。過ぎたるも足らざるも、ある時ふと心のうちに悪魔を生む。外界に対して運命を重ね、自分が何ができるか。自分が果たせる役割は何なのかと視点が変わった時、二人は足を引っ張り合う関係から、相棒となるのだと思う。

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