【通勤読書】18:オクターヴ


<『オクターヴ』 秋山はる>
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この本は、『アフタヌーン』連載中に知っていて単行本でまとめ買いしていたのを、前回の『こたつやみかん』で思い出し、読み直しました。売れなかったアイドルの過去を持つ『雪乃』とミュージシャンとして活動後、作曲家になった『節子』が出会い、節子が雪乃を押し倒す形で始まり、なんだかんだしていくお話です。雪乃がとんでもないことをしても、惚れた弱みで許してしまう節子の姿が、読んでいて苦しくなるほどで、細かく書きたいのですが、ネタバレ回避のため今回は全6巻のカバーの表と裏に注目して書きます。お手元に『オクターヴ』をお持ちの方はご用意し、少しずつ右下にずらしながらこの記事を読んで頂ければ幸いです。
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まず、1巻表は雪乃が花束を膝に乗せて俯き、1巻裏でヘッドフォンをした節子も俯いています。2巻表はヘッドフォンをした雪乃で視線は1巻裏の節子の背中に、2巻裏でギターを抱えた節子の視線は3巻表の雪乃に向かいます。3巻表はピアノに触れる雪乃が、3巻裏の葡萄を持つ節子を見つめています。4巻表は雪乃が葡萄の蔓に囲まれ、4巻裏は節子がキャンドルに火を灯しています。5巻表は雪乃が4巻裏の節子を見つめ、5巻裏では節子が手にした小さな一輪の花を見つめています。最終巻の6巻に関してはネタバレ回避のため細かく書きませんが、二人それぞれが持っている花束と1巻表の雪乃の花束や5巻裏の節子が持つ一輪の花との違いを比べると面白いかもしれません。
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ヘッドフォン、楽器、葡萄、キャンドルなど、先に行動を起こすのは節子で、それを追いかけるのが雪乃です。物語の中でも、年上の節子が仕事も生活も先を歩くことが多いので、それを暗示しつつのイラストになっています。そんなこんなで、このカバーデザインは、二人の心の音階が上がったり下がったりしながら最終章へ進む様が見事に表現されているのです。本編もカバーデザインもおススメです。
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<追記>
作者の秋山はる氏、デザイン担当の『Garowa Graphico』山口拓三氏、お二人がもしこの記事を読まれていたらご一報ください。素敵な絵とデザインで楽しませて頂いたお礼にランチをご馳走します!(本気)
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(写真は著者撮影)
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◎関連リンク
・講談社サイト『オクターヴ』
http://kc.kodansha.co.jp/title?code=1000004114

・GAROWA GRAPHICO WEB
http://www.garowa.net/index.html

・秋山はる氏WEB
http://homepage3.nifty.com/h-akiyama/

Kindle作家と会社員の兼業。AmazonKindleにて小説発売中。通勤中の読書をテーマにのんびりと執筆していきます。

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