スマートフォンのAppleの利益が、全体の92%を占めた。

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 Appleのスマートフォンの利益が高いことは、ある程度価格が高くても、競争力のあることを示している。 2015年7月12日

 By Shira Ovide and Daisuke Wakabayashi、WSJ

 Samsungの常務、Mike Walkley氏によると、Appleは、2015年1Qに、世界のスマートフォンの売上の20%弱を占めたが、世界の8社のトップ・スマートフォン・メーカの経常利益の合計の92%を占めたという。

 2015年1Qに、世界のスマートフォン・メーカは、資金がなくなるか、利益を失っていたが、AppleとSamsungは、経常利益が100%以上増えていた。

 Appleは、サプライヤに、これまでにない、多くのiPhoneモデルを生産してくれるよう依頼した。

 HTCによると、Smansungは、あまり利益が上がることを期待していないという。

 Microsoftによると、2014年に、Nokiaのスマートフォン部門を買収して以来、同社のスマートフォン部門の価値が、80%減少したという。

 Appleは、世界のスマートフォンの売上シェアは、20%弱であったが、世界のスマートフォンの経常利益のシェアは、92%であったという。

 これは、Appleのスマートフォンは、ある程度価格が高くても、競争力のあることが要因になっている。

 SamsungやHTCといった、スマートフォン業界のAppleのライバル・ベンダは、GoogleのAndroidオペレーティング・システムを、自社のスマートフォンに採用している。

 Androidベースのスマートフォンは、機能や性能の差別化が難しいので、付加機能、デザイン、および、価格を下げることで、差別化を図り、販売競争力を付けているが、利益を上げることが、さらに難しくなっている。

 Strategy Analyticsの専務、Neil Mawston氏によると、Androidベースのスマートフォンを生産する、世界の多くのベンダは、中国のXiaomiといった、低価格のスマートフォンを大量に生産し、販売する、Androidベンダと、Appleの高級スマートフォン間に挟まれて、販売台数を伸ばし、利益を上げることが難しくなっているという。

 機能、性能、品質、信頼性、価格のすべてで、競争力があり、スマートフォンの分野で成功を続けている、Samsungでさえ、ベンダが増え過ぎて、競争が激化しているので、利益を上げることが困難になっている。

 Samsungによると、2015年2Qまで、7四半期連続して、利益が減少しているという。

 Samsungは、ある程度価格が高く、緩やかにカーブしたディスプレイを持つ、洗練されたデザインの、Galaxy S6スマートフォンの注文が、極めて多き、生産が間に合わず、需要の判断を誤ったようだ。

 現在のスマートフォン業界の状況は、2007年に、Appleが、iPhoneで、スマートフォンのビジネスに、急速に立ち上げた時代から開始された。

 2007年、当時、フィンランドのNokiaは、スマートフォン業界の経常利益の約2/3を占めていたという。

 2010年までに、Nokiaがトップであった、スマートフォン業界に、AppleとBlackBerryが、参入し、スマートフォン・ベンダが、増加してきた。

 2012年までに、AppleとSamsungが、基本的に、スマートフォン業界の利益を、2分するようになった。

 現在、Appleは、ハイエンドのスマートフォンの分野で、Samsungよりも優位に立っている。

 多くのスマートフォン・メーカは、ある程度価格で、大きな利益を獲得した、Appleとは、異なった戦略をとっている。

 MicrosoftとXiaomiは、スマートフォンが販売された後の、アプリのダウンロード、スマートフォンのアクセサリ、および、他のアドオンの販売で、利益を上げることを狙っている。

 Samsungは、スマートフォンに使用する、チップや電子部品を生産し、ライバルのスマートフォン・ベンダに供給することから利益を上げている。

 中国のHuawaeiのスポークスマンによると、よりミッドレンジとハイエンドのスマートフォンを販売することで、売上を上げてきたという。

 Lenovo Groupは、2014年10月に、あまり利益が出ていない、ハンドセット・メーカ、Motorola Mobilityを買収しており、半年以内に、利益を上げることを期待しているという。

 Canaccordの調査データには、XiaomiやインドのMicromax Informaticsを含む、私企業は含まれていない。

 Strategy Analyticsによると、AppleのiPhoneは、2014年に、世界で平均624ドルで販売されており、これに対し、Androidベースのスマートフォンは、世界で平均185ドルで販売されていたという。

 2014年度に、Appleは、前年から、43%多い台数のiPhoneを、より高い価格で販売した。

 2015年2Qに、大画面のiPhone 6と6 Plusモデル(ファブレット)が好調で、iPhoneの平均価格は、659ドルになった。

 スマートフォン市場は、成熟してきたので、成長も緩やかになり、PCビジネスの市場が、成熟してきた時代と似てきた。

 PCビジネス市場も、多くのベンダの参入で、価格競争が激化し、市場が成熟すると共に、平均PC価格が急落し、ノートPCの割合が増えていった。

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