読前読書録vol.10 宮本常一「海に生きる人びと」

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 宮本常一(みやもとつねいち)と西岡常一(にしおかつねかず)。僕の中にはこの二人の常一が、混同されて記憶されている。二人を結ぶのは法隆寺再建だ。中学生の頃だったのだと思うのだけれど、テレビで法隆寺の大修理の模様を見た。そこに登場したのが、宮大工の西岡常一だった。古の先人たちの知恵、技術、道具、熱い想いと深い洞察に満ちた言葉が心を打った。その時、彼はこんなことも言ったように思うのだ。法隆寺の建立や修理の際には、近畿をはじめとした各地から腕のある宮大工たちが集められた。その言葉が僕の想像を膨らました。自慢の道具を懐に、長い道のりをかけて都にやって来る宮大工たち。そこに旅人・宮本常一のイメージが重なる。田舎の宮大工にとって、都はどれほど大きく美しく感じられだろうか。都を象徴する寺の修繕を担当することは、どれだけ誇らしいことだったか。高い空の下で黙々と手を動かす悠久の時間、なんとロマンチックだろう。

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