【哀愁鉄子の物語】大連の旅(1)中国で一番美しい街

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ここ数年中国にハマッている友人から、「大連行かない?」と誘われました。度々中国を訪れているので、旅行会社から紹介された格安の特別プランだそうで、月曜日を休めばいいだけの週末2泊3日の旅程。ちょうど、休日出勤後で、休みを取りやすい状況もあり、初めての中国旅行は、期せずして大連に行くことになりました。

北京や上海ならともかく、自分の中国デビューが大連になるとは思っていませんでした。だって、「大連って、旧満州でしょ」というぐらいの知識しかなかったのですから。中学生の頃だったか、遼東半島の「リャオトンハントウ」という語感がリズミカルでなんだかおもしろいなあと思っていたぐらい。

しかしながら、鉄道好きには、興味惹かれるスポット満載なので、ちょいちょい調べてから、ふむふむ、これはおもしろそうだ、それなら乗っかってみるかと、6月に哀愁の旧満州に行ってきました。成田からひとっ飛びで、約4時間。近くて嬉しい! 時差も1時間しかないので、体のだるさもなく、その日から目一杯遊べます。

と思いきや、いきなりホテルで、カードキーのプログラム故障に見舞われました。マスターキーで開けてもらい、部屋に入れたのはいいけど、自分で開けられないのでは、出かけられない。5分で直すから、と言われ、部屋で待つこと結局2時間。いきなり旅の貴重な2時間をロス! ああ、海外に来たなあ、という感じです。

気を取り直して、街を散策。大連の街で、鉄道ファンがまず興奮するのは、路面電車です。大連には、日本統治時代から続く路面電車が走っています。かつては、市内を縦横無尽に路線が張り巡らされていたようですが、今では、統廃合されて201線と202線の2 系統のみ。それでも、バスよりも渋滞に巻き込まれにくいからか、大連の人々も日常の足として、利用しているようです。

当時からある旧型車両と、最新鋭の新型車両、いろいろな車種が走っていて、ホテルの窓から眺めていても、見飽きません。基本的に1乗車1元。扉を入ると、無愛想な車掌さんが、料金を受け取り、金庫にぎゅうぎゅうと丸め込みました。ICカード対応もしており、それだと0.90元と割引になるようです。

大連も他の都市の御多分に洩れず、あまり横断歩道がなく(あっても誰も信号を守らない)、しかも場所によっては、電停の島すらもないところがあり、車がじゃんじゃん行き過ぎる道の真ん中で放り出されるのみ、ということも。甘っちょろい日本人にとっては、乗降車するのも、ハラハラです。こういうところでは、とにかく現地の人を「先輩!」と慕いつつ、後ろについていく、という作戦でいきます。

交通量が多いとはいえ、それでも大連では、バイクがほとんど走っていないので、例えばホーチミンなどに比べるとだいぶ平和に思えます。友人の話では、大連では市内へのバイクの乗り入れを規制しているということでした。渋滞してはいるけれど、そこまで極端ではないし、バイクがいないので、騒音もホーチミンのように耳が痛くなるほどではありませんでした。

「勝利街」という電停で降りて、少し歩いたところに、「勝利橋」があります。ここはかつて「日本橋」と呼ばれていたのだそうです。貨物列車がけっこう頻繁に通過します。従業員の人たちが、平気で線路を横断していく様子が、日本ではあまり見られない光景。いろいろな機関車が行き交うのを橋から眺めているのは、なかなか哀愁がありました。どこの地域を訪れても、鉄道風景というのは和みます。


勝利橋の先には、旧ロシア人街があります。ここは、完全に観光地化されていて、マトリョーシカとか中国のお土産を売るお店が続いていました。

ロシア人街の入り口には、旧東清鉄道汽船本社があります。東清鉄道汽船は、ロシア帝国が作った鉄道会社だそうです。満州というと、日本が初めて鉄道を敷いたかのように思いがちですが、実はそれ以前からこの地に鉄道はあり、満州鉄道は、日本統治時代にロシアが作った線路を引き継いで拡大させていったのです。この建物はレプリカで、今は美術館になっています。友好都市である福岡県の北九州市にも同じ建物のレプリカがあり、国際友好記念図書館になっています。同じ歴史的建造物のレプリカが、世界にいくつも存在することが不思議です。

確かに言われてみればロシアっぽいかな?という感じの建物が並んではいますが、レプリカが多いのか、歴史の重みある風情は乏しかったです。大連は、中国で最も美しい街だと、ホテルまで送ってくれた中国人の添乗員さんが言っていました。気候も、中国の中では比較的過ごしやすく、真夏でも30度を少し超えるくらいだそうです。冬は逆に、マイナス15度を下回ることもあるようですが、それでも中国の他の地域からすれば、温暖なのでしょう。旧ロシア人街には、中国国内からの観光客であふれていました。

Photos by aiko

女性鉄道ファンです。普段は会社員をしています。SLと廃線が特に好きで、ぽちぽちと各地の保存車両や廃線跡などを巡っています。ブログ「哀愁鉄子の物語」を運営しています。

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