【意外と知らない!?】機械系技術者の事情 第三回「CAD・前編」

  by 前田アキヒコ  Tags :  


はじめに

 この連載では、機械系技術職に就いた私自身の経験や体験をもとに、機械系技術者に関するちょっとした情報や仕事の内容について紹介していきます。

  

 また、私はもともと職業訓練を受けて就職した身なので、業界の雇用状況に詳しい訓練校職員の方にいろいろなアドバイスを受けてきた経験もあります。

 なので、本連載では、(ちょっとしたものではありますが)機械系技術者の求人事情についても触れていきたいと思います。
 今回は、前回に紹介した機械製図と並んで機械製作には欠かせない「CAD(キャド)」について前・後編にわけて記事を書いていこうと思います。

  
※本連載を読む上での注意 

 なお、ひとくちに機械系の企業や技術者と言っても、実際は企業や所属する部門のタイプによって業態や業務がそれぞれ異なります。
 私自身は、「設計・機械製図業務」をメーカーから請け負う「機械設計事務所」という分類の企業に就職した人間です。
 なので、本連載の内容もこの種の業務かそれに近いものを担当する企業・技術者についての情報がメインになっています。その点ご了承頂ければと思います。

  

  

CADって何?
  

 さて、今回紹介する「CAD」ですが、この単語自体はあまり聞き馴染みがないものだと思います。

 では、一体何を表した言葉かというと
「コンピュータシステムを利用して設計をすること、またはそのためのソフトウェア」
のことを言います。

 CADとは「Computer Aided Design」の略称であり、直訳すると「コンピュータ支援設計」となります。
 その言葉の通り、製品の設計工程の一部に専用のコンピュータソフトを使用することで、製作をより効率よく行えるようにすること、またはそのソフト自体のことを意味します。

  

 CADには、機械分野以外にも「建築」「電子回路」など他の各技術分野で専用のソフトがあり、それぞれの設計工程で日々利用されています。

  

 今回は、機械系技術者が使用する機械系のCADについて触れていきますが、
実はひとくちに機械系のCADと言っても「2D」「3D」の2種類の分類があります。
 前編である今回は、2DCADについて取り上げたいと思います。
  

  

・2DCADとは

 機械製作の工程には、「機械図面」と呼ばれる図面を作成する「機械製図」という作業があるのですが、2DCADはこの作業を行う際に利用されます。

 機械図面とは、製作する部品や、それらを組み立てた組立品の「形状・大きさ・製作時の加工方法」等を紙に記入したもので、実際に製作現場で部品の製作・組立をする際に使用されます。
下の画像は実際に2DCADを使用して作成した機械図面です。

  



  

 この機械図面は、2DCADが導入されるまでは人の手で直接記入・作成が行われていました。
 しかし今の製作現場では、この2DCADを使ってまずコンピュータ上で図面を作成し、実際に部品を製作・組立する段階で、紙に印刷し使用するという流れになっています。

  

 具体的に2DCADの機能を挙げると

・単純なマウス・キーボード操作で、部品の形状を表す図(図形)を正確に描ける
・図面にテキスト(文字)をワープロソフトと同じように活字で任意の箇所に記入できる
・図やテキストを「レイヤ」と呼ばれる層ごとに記入することで、そのレイヤに記入したものを一括して編集・変換できる(レイヤ機能)
・記入し終えた図やテキストを、そのまま再度編集・修正ができる
・図面をコンピュータデータの形で電子的に保存できる

  

等があります。

  
 2DCADについて身近なモノで例えると、皆さんがコンピュータでイラストを描くときに使用する、ペイント・ドローソフトの機械製図版、と思って頂ければ、なんとなくイメージが掴めるかなと思います。
(もちろん製図専用ソフトなので、他種類のソフトにはない高度な機能がたくさんついていますが)

 

こういった機能を備えたCADを使用することで、

 
・図やテキストを手書きする方法よりも正確かつ迅速に記入できる
・図面の修正が必要になった際も容易に修正ができる

また図面が電子データなので、
・一般的な画像データ等と同じように、複製・消去したり、社内サーバやEメールソフトなどを使えばネットワーク間で送付できる
・保存も全てコンピュータのHDDや他の記録媒体に入れておけるので、図面の保存スペースをとらない

などのメリットがあります。

 

 このような利点があることから、現在の製作現場のほとんどは、CADを導入し機械製作を効率化しています。
特に3DCADよりも価格がだいぶ安く、機械製作には製図作業が必須のことから2DCADは、確実にどの企業も使用しています。
 

 こういった事情から、今の機械製作を支えている重要なツールの1つと言っても全く過言ではないと思います。
 実際に機械製作の求人では、まずCADの使用経験が求人の条件になっていることからもその重要性がわかると思います。

 

 

・終わりに

 

 今回の記事はここまでです。
「機械系技術者の事情」の第3回、いかがだったでしょうか?

 今回は、機械製作の必須ツールであるCADの種類の1つである2DCADを取り上げましたが、その重要性や利便性について多少はご理解いただけたでしょうか?

 
 CADが普及する前は、製図作業は手作業だったことは先ほども書きましたが、字を書いたり図を描くのが下手な筆者は今の時代CADがあってほんとによかったと(痛切に!)思います。

 おかげで基本的なコンピュータ操作を覚えるだけで、私みたいな不器用な人間でも図面に正確な図やテキストを記入することができます。ほんとにCADさまさまですね。
 
 

 さて、次回もまたCADをテーマにした記事を書く予定です。
 今度は、コンピュータの3D技術をふんだんに利用した3DCADについて紹介していきます。

 2次元の図やテキストしか記入できない2DCADとは違い、初見の人でも思わず興味をもてちゃうようなものなのでぜひ次回も読んで頂ければと思います。                                      お楽しみに!

 

 

※この連載を読んで機械製作の仕事について少しでも興味が出た方には、
筆者が立ち上げたサイト 「機械製作のいろいろ」(kikai.readst.info)
をぜひ読んでいただければと思います。

  

また、職業訓練について知りたくなった方には、
前回の連載である「無職、職業訓練を受ける」か、
同じく筆者が立ち上げたサイト 「職業訓練を活用した就職のススメ」(www.readst.info)
を見て頂ければと思います。

もともと技術オタクで,それが高じて実際に機械系の技術職に就きました。 また機械以外にプログラミングや電子工作についても趣味でやっています。 その他社会制度や金融についても興味があり、実際に調べたことや体験したことをもとに自分なりに解説サイトを作ったりしています。

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