人生の迷路に入った人たちへ 

  by あおぞら  Tags :  

迷路に迷い込む人たちが、その路から脱出するのは大変なことでしょう。ドキュメンタリーで派遣切りに遭い、住んでいる寮も追われて、活路を求めて違う県に引越し、正社員目指して奮闘している人を追う番組を見ました。

日本はかつて終身雇用制で、特に大手企業に就職すると安定があり、家族をきちんと養えて、また過分すぎるほどの退職金をもらえたものでした。今では当たり前になった早期退職者を募ることもなく、また無残にも正社員を解雇するようなことは今現在と比べて圧倒的に少なかったのです。

バブルで潤っていた頃、都市銀行はBANKSのBの頭文字から13の数字を打ち出して、都市銀行全体で銀行を宣伝していました。バブルが弾ける前までは第一勧業銀行、三井銀行、富士銀行、三菱銀行、協和銀行、三和銀行、住友銀行、大和銀行、東海銀行、北海道拓殖銀行、太陽神戸銀行、東京銀行、埼玉銀行と全国展開の規模の業務をしている普通銀行がありました。全国というより海外支社も含めると日本だけでなく世界展開と言っても決して過言ではなかったのです。

銀行を例にとっても今はこれらの13行は跡形もなく、再編・統廃合が進み3大メガバンクに振り分けられました。経済の要の銀行が縮小されること自体が、日本の衰退を物語ります。この固い職業であった銀行の再編・統廃合により職を失った行員も多くいたことでしょう、それらの方々が再就職をし、再就職の波がどんどん上から下へ流れて、ピラミッド構造の底辺で働く人たちは更に厳しい状況になり、崖っぷち人生に翻弄される人たちが溢れだしました。

年間平均3万人の自殺者の特に中高年は失業や、再就職の難しさ、金銭トラブル等の切羽詰まった理由で命を絶つ人が多いのです。

ブラック企業と呼ばれる悪徳企業も増えています。残業をしても残業代を支払うこともなく、有給休暇も取得させず、文句を言わせない体制で、そのような企業に就職してしまった場合は不運を嘆くしかないのでしょうか?

人生は何が起こるかわかりません。良いこともあれば、悪いことも起きるでしょう。自分にふりかかる災難は跳ね除けて生きて行かなければいけないのが、それぞの人生なのです。

大手企業に勤務していたサラリーマンがリストラ勧告を受け、下請け会社への転換の可能性を示唆されたものの、まだ転職可能と思いその受け入れを蹴りました。世の中はそう簡単に進まず再就職で辛酸をなめさせられます。まさか大学を卒業して上場企業に晴れて入社したその人の後の人生の歯車が狂うとは予想もできなかったことでしょう。でも、実際、そんなことが日常茶飯事で、誰にでも起こり得るのが現代なのです。

人生、困難な状況に陥ったら、慌てず、騒がず、その迷路の中で活路を見出すしかないのです。光の差さない道であったとしても、その暗がりの道を少しずつでも歩んでいくしかないのです。

マイナスと思える出来事もプラスに変える力を養うことが生きる力になるのです。失敗を成功に導ける力こそが本当の強さです。社会で大成功をおさめている人たちは大いに失敗し、人生に落胆し、打ちひしがれた経験をした人たちだからこそ道を切り開いたのです。

明るく、楽しく、お気楽に生きていければそれに越したことはないのですが、人生そうやすやすと生きられるものではないのです。

もしも壁にぶち当たり、困難を極め、迷路で迷うようなことがあれば、深呼吸して、焦らずに、その中でも光を求めて脱出する道を考えましょう。そういう時こそ、一人で自分を見つめ、一人を極めるのです。

困難は人を強くします、だからこそその困難を乗り越えなくてはいけませぬ。派遣切りに遭っても、リストラされても、決して自分を諦めないで!

ニューヨークから発信しています