【通勤読書】12:愛すべき娘たち

<『愛すべき娘たち』 よしながふみ>
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この本は、よしながふみ作品で最初に買った一冊で、母の日が近いので久しぶりに読み返しました。最初に読んだ時は、第三話の『莢子』が気になりました。私は中学からカトリック系の女子校に通い、当時、教職も兼ねた二十代のシスターがいました。ロザリオを首からさげた彼女と廊下ですれ違う時、「なぜシスターに?」と訊いてみたくて仕方がなかった。結局、彼女に動機を訊くことはなく、しばらくして、この本に出会って、莢子にひとつの答えがあった気がして本を閉じたのを覚えています。
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今回は、母の日を理由にということで、莢子以外にも注目しながら読み返しました。ざっくり説明すると、『娘』たちの様々な愛のかたちをまとめた短編集です。気になったのは、最終話に登場する『雪子』『麻里』『麻里の母(雪子の祖母)』の三世代の関係。麻里の母は容姿を褒めずに麻里を育て、それを反面教師に麻里は雪子を育てます。そして、雪子は祖母が母を褒めないで育てた理由を知るのです。その理由は、ひどくいびつで勝手なものでした。
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母と娘の衝突は、世界中の母と娘の間で起きていて、傷付けたり、傷付いたりして生活していく。時には、立ち向かうのではなく、やり過ごしたり、逃げたりするのも大切だろうし、「そんな必要ない」と言われても、向き合わなくてはならないこともある。この本を最後まで読むと、母もかつては祖母の娘で、一人の女性なのだという当たり前のことに気付かされます。母の日を前に読み返せてよかったです。おススメです。
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(写真は著者撮影)
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◎関連リンク
・白泉社サイト『愛すべき娘たち』
http://www.s-book.net/plsql/slib_detail?isbn=4592132955

Kindle作家と会社員の兼業。AmazonKindleにて小説発売中。通勤中の読書をテーマにのんびりと執筆していきます。

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