日本のホームレスの数は6541人 ネットカフェ難民などは含まれてないと有識者から異論

厚生労働省は、4月28日に年一回調査しているホームレスの方の数を公表しました。その数は6、541人。ホームレス支援などを行っている方からは「そんなに少ないわけがない」と批判の声があがっています。
ホームレス支援団体の有識者によると、外見でホームレスかどうかを見分けるのは極めて難しいとのこと。スーツを着ていて、お勤めしているようにしか見えない方もいるし、中には車を持っていて、その中で生活している方もいるそうです。

ではなぜ、厚生労働省がこのような統計結果に落ち着いたかというと、「ホームレスの自立等に関する特別措置法」に基づき、福祉事務所の職員が、河川敷地や公園などを巡回し、主観でホームレスかどうかを判断し、統計をしているのが実態なのだそうです。

ところが、日雇い派遣などが広がり、また、ネットカフェや漫画喫茶などでもシャワーを浴びたりすることができるため、身なりだけではホームレス状態の方かどうかは判別できないと支援団体から批判が集まっています。

欧米では、ホームレスの定義として、「定住する場所がない」「もしくは28日以内に定住する場所を失う可能性があること」を上げています。この基準を日本に当てはめれば、もっと多くの方が支援対象になるのは間違いありません。

日本は、働く意志があり、有能であっても、現住所がなければ就労が極めて難しくなる社会です。人口減にともなって、空き家が増える一方、家を失う人が増えるという実態も問題となっています。

お金が絡む問題ですから、単純な方法で解決は望めないのかもしれませんが、ここまで広がった社会問題を放置してよいとは思いません。
空き家などを保証人なし、低賃料で借りられるなどの政策を実施するなどといった支援を検討してほしいですね。

※写真はイメージ 足成から http://www.ashinari.com/2008/08/14-006441.php

松沢直樹

福岡県北九州市出身。主な取材フィールドは、フード、医療、社会保障など。近著に「食費革命」「うちの職場は隠れブラックかも」(三五館)」近年は児童文学作品も上梓。連合ユニオン東京・委託労働者ユニオン執行副委員長