語りつくす男 -世にも奇妙な物語-

  by はむ  Tags :  

今月11日に『世にも奇妙な物語 25周年スペシャル・春~人気マンガ家競演編~』が放送される。地味に四半世紀も続いてきた長寿番組‥‥。声にしてこそださないけれども「なにげ奇妙ファン」という視聴者は、わりと多くいらっしゃるのではないだろうか。

そんな筆者も同番組のこよなく愛し、半年に一度の放送を心待ちにする根っからの奇妙‥信者?しかも、番組のスタート時から、ほぼ全作品を見届けてきた、いささか“マニア”であり、これを方々で自称させてもらっている。そこで「25周年」を祝し、今回から数回に分けて、春の見どころとなりそうな点や、過去の名作などをピックアップしながらマニアックに、奇妙を語ってみたいと思う。

まず「人気マンガ家の競演編」より、個人的に注目をしているのは、先日半同居人の存在をテレビで明かして話題となったSMAP・稲垣吾朗主演の『自分を信じた男』である。これまで彼は3本の作品に主演として奇妙に出演をはたしているが、醸しだすその雰囲気も相まってか、ミステリー調なものが多い。

なかでも桜井幸子と兄妹役を演じた『僕は旅をする』が顕著だ。ある日、頭部のない姉の遺体が見つかり‥といったショッキングなシーンから物語から始まり、それでも内心どこかで生き続けているのではないかと、姉を探す旅を始める主人公。しかし、この作品の最大のハイライトはなんといっても“オチ”の部分だろう。最後の最後に言い放った主人公の言葉が、なんともゴローちゃんらしいのだ。未視聴の方は是非ご自分の目で確認いただきたい。

先月フジから公表されたキャストで私がおもわず「オッ」となったのが、稲垣吾朗と共演する手塚とおる(52)の存在。ちなみに手塚治虫の子孫であるとか、一部でささやかれたこともあったそうだが、治虫氏との間に血縁関係はない。

世にも奇妙の出演回数は2回。しかも、ともに脇役だった彼に、なぜ今回注目をしているのかというと、その出演した2作品が筆者にとって「奇妙史」に残る名作であったからに他ならない。

1本目が「不定期バスの客」。これは同じくSMAPの中居正広が主演を張った作品で、恐怖度は極めて高い。コンビニ強盗をした中居演じる主人公が、逃亡の手段としてバスジャックを敢行するのだが、そのバスの乗客のひとりとして乗り合わせていたという設定。乗客のなかでもひと際不気味なオーラを放っていたのが、手塚さんだ。完全にイッてしまった男の狂気な目には、悪役の中居くんもタジログ、タジログ…

そして2本目。数年来の奇妙ファンをもってしても名作のひとつとして必ずその名が挙げられる‥「懲役30日」。三上博史主演の同作品では冷酷な医師を演じた。医師でありながらどこか病的で、何かに取り憑かれたような彼が、とにかく恐ろしい。作品の本筋以外の部分で恐ろしさを感じてしまった、手塚さんの熱演ならぬ‥「冷演」は必見!

その「懲役30日」以来、17年ぶりの出演となる奇妙で、今度はどんな“怖男”を演じてくれるのだろうか。楽しみである。 ≪続く≫

※画像はフジテレビ公式HPより

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